水道筋商店街。神戸市内屈指の人気商店街である。地域密着型であり、ファンも多い。私の活動エリアは新長田だったが、水道筋近辺の圧倒的な魅力に、隣の芝は青すぎる状態だった。
何とか筋、という名称は商店街に多い。大正筋、昭和筋…。平成筋は聞かない。恐らく平成になってすぐにバブルがはじけ長期低迷時代に突入したからか、平成に誕生した商店街そのものがあまりないのだろう。令和筋が生まれることを期待する。
水道筋の立地は決して良くはない。神戸屈指の集客装置「王子動物園」に近いが、動物園の前に広がっているわけでもない。動物園の入園客が水道筋まで足を運ぶ比率はどれぐらいか。100%ではないことだけは断言できる。
そんな水道筋商店街を盛り上げたいと願う市民や近隣住民らが集い、水道筋のこれからを語り合うという呑み会が商店街にほど近い幹線道路沿いの分類不能な素敵飲食店で開催された。
この店は私も連載させて頂いているフリーペーパー『土日技術』発刊一周年の集いの会場だった。編集長兼発行人のY川氏がこの飲食店オーナーと昵懇であり、水道筋ファンが集う呑み会に何故か私もY川編集長を通じてお招き頂いた。
オーナー女性が会の発起人。商業者でなく住民の立場で水道筋を盛り上げたいという。集ったメンバーは市職員、百貨店勤務、ゲームクリエイター、大学教授など多様。大学生も3名参加されていた。普段お会いすることなき職業や属性の皆さまである。
最初は会の趣旨も把握していないかった。ビールがノドと舌を滑らせてくれたのか、1時間で退席のつもりが気づけば3時間もしゃべり倒していた。
学生さんたちの説明を聞いても私のボンクラ頭で活動内容を理解できなかったが、地域に溶け込む素晴らしい活動であることは把握できた。私の学生時代と今の学生さんは優秀さが違う。私のようなバカオヤジにならないことを切に願う。
水道筋の魅力とは。水道筋がこれから活性化するには…。私は水道筋を長らく歩いていない。今の状況が把握できていないから言葉が出ない。しかし、水道筋は魅力に溢れ、十分に活性化しているように感じる。
活性化への取組も熱心で若手の活動も充実しているイメージがあった。水道筋にNPOやまちづくり会社が設立されていたとは存じ上げなかった。
モヒートや缶ビールをクイクイやりながら卓上のオツマミを口に運ぶ。乾きものやスナック菓子も美味しいが、商店街で買ったという焼豚やコロッケの旨さはずば抜けていた。
水道筋に限らず、商店街の魅力は専門店のしずる感溢れる自慢の逸品が一役買っていることは間違いないだろう。
水道筋の秘密基地。
春はモヒート。
商店街のお惣菜を広げて。