2024年07月09日

第3452夜:店頭テレビ【新長田(神戸)】

 街頭テレビ。私は昭和生まれだが(昭和49年)、モノゴコロ着いた頃にはたいていの家庭にテレビはあった。ビデオデッキはどうだったか。

 ファミコンが登場し始めた頃と私のモノゴコロ(たぶん9歳ごろ)はリンクしている。街頭テレビはオトナになってから過去を振り返る映像か何かで知った。昭和ノスタルジーである。

 伝聞でしか知らぬが、街頭テレビでは巨人戦や力道山のプロレス試合が放映されていたらしい。時期で言えば昭和30年代か。

 ある秋の土曜の夜。インテックス大阪で5日間ほど「鹿沼シウマイ」催事のため関西入りしていたM越氏と神戸新長田で合流。氏が関西滞在中、私は魚沼(新潟)→春日部(埼玉)→北九州(福岡)を転々。この夜は北九州小倉からいったん神戸に戻った。

 この日の夜なら私もフリー。ただし三宮まで出るパワーは残っていない。私は上下作業着のまま氏と新長田駅で合流。向かった先は四半世紀通っている鮮魚店直営居酒<あみさき>。屋で海なし県にお住いの氏にご堪能いただこう。

 氏はいきなり焼酎の湯割。私はキリンラガーの瓶から。いかにも昭和な雰囲気だ。

 蒸し穴子、烏賊と帆立の刺身、エビフライなどに舌鼓。ラガー2本の後はハイボール。ハイボールも私が生まれる前の昭和30年代ごろにトリスバーで流行ったはず。いったん廃れたが、サン○リーが仕掛けた角ハイブームで完全に定着した。

 煙草を吸いに外に出る。マスターが店頭に置いてあるテレビに見入っていた。日本シリーズ初戦だった。関西ダービー(虎vs牛)である。こんな試合をされたら、呑み屋はどこも商売にならないだろう。WBCの時もコロナ並に閑散だった。

 私はセなら虎、パなら牛である。虎牛の戦い、むしろ冷静に見ることができる。どちらが勝っても嬉しいからだ。

 煙草を吸いつつマスターと談笑しながらテレビを見る。マスターが試合経過を解説してくれる。店内にテレビがあったらずっと居るだろう。その分、杯数も増えそうだ。

 タコガーリック炒めなどを肴に熱燗鯨飲モード。二合徳利が数本空いた頃にお会計。店を出ると、虎が牛から大きくリードを奪い始めた。区切りの良いところまでTVを見せてもらう。M越氏もご堪能。味わい深いものがある。3人だけの街頭テレビだ。

 2軒目はスナック<ホーム>。客もママもいないが、カウンターレディが日本シリーズを鑑賞していた。我ら2人もTV真正面に陣取る。

 バーボンを呷りながら熱戦を鑑賞。街頭テレビからパブリックビューイング状態に。そう思えば、街頭テレビは昭和時代のパブリックビューイングだったのだろう。

 街頭テレビ全盛時代、まさか半世紀少しで携帯電話(スマホ)でどこでもテレビが、野球が見れる時代が来るなど想像できなかっただろう。150年前、豊前小倉から摂津神戸まで2時間で移動できるなんて意味不明だっただろう。

 今から50年後、どんな世の中になっているのか。まあ、不摂生の極みの私は10年後も知ることはできそうにないけれど。

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刺身。

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穴子白焼。

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エビフライ。

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蛸ガーリック。

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店頭テレビ。

posted by machi at 09:57| Comment(2) | 兵庫県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年03月20日

第3380夜:記憶滅失パトロール【板宿・新長田(神戸)】

 板宿駅周辺と新長田駅北側。神戸新長田で職を得た1999年から2010年まで狂ったように呑み歩き、すっかり神戸と御縁が無くなった2023年現在でも私が神戸新長田時代から通っていた呑み屋がひしめく我が呑み故郷である。

 2010年4月に新長田を離れてから、板宿駅前や新長田駅北側で呑む機会は減っていった。そして、コロナ。ますます足が遠のいた。三宮で呑む機会はさらに無くなっていった。

 コロナも5類になり、久々に数日間神戸に滞在していた残暑厳しい土曜の夜。独りだが久々に板宿駅前で外呑みしようと思い立った。馴染の店のパトロールである。

 真っ先に向かったのは<ちょこっと>。カウンターで10人も座れば超満員でいつも超絶に流行っている。ママの料理が旨すぎること、異様なまでに安いことも人気の理由だ。

 いつぶりか分からぬほど暖簾を潜る。何とか1席空いていた。店内は年配のご婦人で埋め尽くされている。生の後はいいちこ水割を数杯。肴は、客の8割は頼んでいるであろう「肉するめ」と「ごまの葉」。ホルモン系の刺身なども旨そうだったが独りなのでそれほど頼めない。

 以前は目にしなかった「飲食は1時間30分を目途に」が視界に。お客はひっきりなし。1時間ほどで退席し、道路を挟んでママの甥っ子が営んでいるお好み焼き<とん>へ。店主は私の小・中の同級生。クラスも一緒だった。

 この店も半端なく流行っている。何とか鉄板カウンターを一席確保。気づけばアッという間に満席に。女性客の方は目立つ。かなりのメニュー量と店内の広さだが、店主とスタッフの2人で回している。動きに無駄がない。相当に腕を上げているようだ。

 目玉焼ととんぺい焼を注文。レモンチューハイの後はいいちこ水割を流し込んでいると、同級生店主が「これツマんどいて」と鶏ささみ炙り刺を眼前に。

 おいおい、余裕じゃないか。とんでもない数の注文数をさばいているはずだが…。有難く美味しく頂く。いいちこお代わりしていると、今度は注文していない「蒟蒻炒め」。量もたっぷり。おいおい、俺の注文は?

 目玉焼2ヶが登場。ソースを垂らす。ただ、ささみ刺と蒟蒻炒めで満腹。とんぺい焼は持ち帰りに。それと、多くの客が頼んでいた「豚しそ焼」(しょうゆ味)も持ち帰りで。スナックにでも持参しよう。

 ブラブラ新長田方面へ。四半世紀近く通っている<あみさき>へ。マスターやママと談笑しながら瓶ビールとハイボール、日本酒を鯨飲。肴は蒸し穴子とエビフライ。

 かなり酔った。ここからあまり記憶がない。神戸で唯一私がボトルをキープしているスナック<ホーム>に行ったことはぼんやり覚えている。しかし、途中から全く記憶にない。

 気づいたら朝。朝までノンストップに眠れたようだ。しかし、机の上に食べ散らかしたとんぺい焼と豚しそ焼の容器が。スナックでオミヤに渡さなかったようである。それよりも、どうやって帰ったのかも覚えていない。地下鉄か、タクシーか。

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1軒目。愛してやまない<ちょこっと>。

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2軒目は小中の同級生が営む<とん>。

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3軒目は前世紀から通っている<あみさき>。

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<あみさき>の絶品エビフライ。このあとぐらいから記憶なし。

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翌朝の画像@(自宅)

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翌朝の画像A(自宅)

posted by machi at 08:43| Comment(0) | 兵庫県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年12月13日

第3309夜:リファーレの鰻メシ【妙法寺(神戸)】

 リファーレ横尾。我が自宅事務所の「敷地」から徒歩1分に屹立する、神戸市営地下鉄妙法寺駅とほぼ直結なミニショッピングモールである。核テナントはコープさん。肉屋(退店)、八百屋、魚屋の生鮮3(2)にパン、揚物、本、ドラッグストア、100均などが入居している。

 私が妙法寺に住み始めたのは約20年前。車を持たぬ生活なので、妙法寺界隈のことはこの商業施設と自宅マンションを結ぶ1分間しか知らない。

 駅前や周辺は団地やマンションも多く、かなりの乗降者数があるのだがリファーレは空き店舗が目立つ。新規出店があっても、少々首を傾けたくなる業種業態ばかり。つい最近、新たにラーメン店がオープンしたと思ったら、今度はうどん屋が消えていた。

 飲食は牛丼チェーン、インドカレー、ラーメン、居酒屋、喫茶店の5店舗のみ。妙法寺駅界隈で飲食店はこの施設内だけ(たぶん)。20年住んでいて、喫茶店とカレー屋はいまだ未踏。

 ある日の午後。出張先へ向かう前に<Sき家>に飛び込んだ。しばらく来ないうちに、タッチパネルに変わっていた。

 「うな牛丼」の大盛を召還。牛丼チェーンの鰻は季節限定。私にとっては夏の訪れを感じさせる風物詩でもある。中でも「すき家」の鰻は他のチェーンを圧倒している。

 本格的な鰻屋では考えられぬスピードでブツ降臨。山椒の小袋を従えて。紅生姜をたっぷり丼の端に乗せる。後は一気呵成にワシワシ。

 牛丼と鰻丼が一緒に味わえるのは牛丼チェ―ンならではの魅力。大盛で1000円ちょっとで味わえるのだから、企業努力に敬礼である。

 それから数日後の午後。出張先から帰還。昼飯はリファーレ内のどこかで食べよう。居酒屋では昼限定ランチを提供している。メニューもかなり豊富。その中で、圧倒的存在感を放っているのが「うな重定食」。値段は唯一の2000円越え(2365円)。

 他と比べたら高いが、うな重と考えれば安い。この日はタフな一週間のご褒美として、蛮勇を振り絞った。ご飯を大盛にした。

 店内は満席。お客の平均年齢は目視で80歳以上か。ニュータウンがオールドタウン化している事象を痛感させられる。ゆえに、新規出店があまりないのか。

 少し待って、ブツ降臨、うな重にはフタが。味噌汁、漬物、出汁巻玉子を従えている。

 フタを外す。思わず口笛を吹きそうに。鰻びっしりでご飯が見えぬ。味噌汁で心を落ち着かせ、山椒パラリ。まずは一切れテイスティング…。柔らかい。関西のパリパリというより、関東風の蒸しに近い。タレは甘すぎずサッパリ、ご飯もさすが大盛。心強いずしり感がある。

 香物で舌を洗いつつ喰い進める。出汁巻は関西風で甘さのない私好み。後は無我夢中。

 まさか、自宅近くでこのレベルのうな重が2,000円ちょっとで満喫できるとは。20年生息していても日々新たな驚きがある。自宅に引き籠らず、街に出ねば。

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3大メジャーではここの鰻が一番好き。

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牛丼チェーン以外味わえないコラボ。

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妙法寺たぶん唯一の貴重な居酒屋。

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申し分なし。

posted by machi at 10:07| Comment(0) | 兵庫県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする