2024年12月28日

第3566夜:水道筋を盛り上げる会【王子公園(神戸)】

 水道筋商店街。神戸市内屈指の人気商店街である。地域密着型であり、ファンも多い。私の活動エリアは新長田だったが、水道筋近辺の圧倒的な魅力に、隣の芝は青すぎる状態だった。

 何とか筋、という名称は商店街に多い。大正筋、昭和筋…。平成筋は聞かない。恐らく平成になってすぐにバブルがはじけ長期低迷時代に突入したからか、平成に誕生した商店街そのものがあまりないのだろう。令和筋が生まれることを期待する。

 水道筋の立地は決して良くはない。神戸屈指の集客装置「王子動物園」に近いが、動物園の前に広がっているわけでもない。動物園の入園客が水道筋まで足を運ぶ比率はどれぐらいか。100%ではないことだけは断言できる。

 そんな水道筋商店街を盛り上げたいと願う市民や近隣住民らが集い、水道筋のこれからを語り合うという呑み会が商店街にほど近い幹線道路沿いの分類不能な素敵飲食店で開催された。

 この店は私も連載させて頂いているフリーペーパー『土日技術』発刊一周年の集いの会場だった。編集長兼発行人のY川氏がこの飲食店オーナーと昵懇であり、水道筋ファンが集う呑み会に何故か私もY川編集長を通じてお招き頂いた。

 オーナー女性が会の発起人。商業者でなく住民の立場で水道筋を盛り上げたいという。集ったメンバーは市職員、百貨店勤務、ゲームクリエイター、大学教授など多様。大学生も3名参加されていた。普段お会いすることなき職業や属性の皆さまである。

 最初は会の趣旨も把握していないかった。ビールがノドと舌を滑らせてくれたのか、1時間で退席のつもりが気づけば3時間もしゃべり倒していた。

 学生さんたちの説明を聞いても私のボンクラ頭で活動内容を理解できなかったが、地域に溶け込む素晴らしい活動であることは把握できた。私の学生時代と今の学生さんは優秀さが違う。私のようなバカオヤジにならないことを切に願う。

 水道筋の魅力とは。水道筋がこれから活性化するには…。私は水道筋を長らく歩いていない。今の状況が把握できていないから言葉が出ない。しかし、水道筋は魅力に溢れ、十分に活性化しているように感じる。

 活性化への取組も熱心で若手の活動も充実しているイメージがあった。水道筋にNPOやまちづくり会社が設立されていたとは存じ上げなかった。

 モヒートや缶ビールをクイクイやりながら卓上のオツマミを口に運ぶ。乾きものやスナック菓子も美味しいが、商店街で買ったという焼豚やコロッケの旨さはずば抜けていた。

 水道筋に限らず、商店街の魅力は専門店のしずる感溢れる自慢の逸品が一役買っていることは間違いないだろう。

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水道筋の秘密基地。

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春はモヒート。

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商店街のお惣菜を広げて。

posted by machi at 08:33| Comment(0) | 兵庫県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年12月19日

第3561夜:春はカウンター【三宮・新長田(神戸)】(後編)

 大満足で店を出る。ミント神戸降りてすぐのビアホール<ZAKOBA>で生ビール。ツマミはカミカツ、唐揚、ポテトフライ。同じ揚物でもこれほど異なるものか。風流と日常、雅と野、春と夏。どちらもたまらなく愛してしまう。

 3軒目はM好氏いきつけのラウンジ。ビルでなく路面店に驚かされる。ボックスを勧められたが1枚板のカウンターに。ゴージャスな店である。

 いくつもの花輪があった。店のレディの誕生日らしい。そのレディがガチャガチャを持ってきた。100円入れて回すとレディの顔がプリントされたバッチが出てきた。M好氏もバッチ。どうやらバッジしか入っていないようだが、微妙にデザインが違う。

 私は「同伴券」を入れるように提案した。即採用。適当なメモ用紙を雑に千切って雑な字で同伴券と書いている。それをガチャガチャボックスに入れている。

 気づけば23時を回っている。満席だった店内もいつのまにか我ら2人に。ママも私の横に座り、カウンター越しにはレディが6〜7人。

 詳細は書かないが、この夜、謎の演劇集団となった。ベテランのボーイが撮影し、私もシブい脇役演技を決める。主演はM好氏。内容は文字に起こすのもばかばかしい。

 大笑いして店を出る。さらにもう1件。東門の<風>。ママが一人で切盛りするカウンターだけの居酒屋風バー・この店のカウンターは「逆L字」。たまにこのような店もある。

 私は満腹なのでハイボールだけ。談笑していると夜中1時過ぎに。タクシーで氏を西代で下ろす。タクシーは同一方向を向いて隣席なのでカウンターと言えないこともない。

 翌夜。今度は新長田の愛してやまないタンク筋<寿し天>。4人だったがカウンターに。3種類の瓶ビールから、私は迷わずサッポロ。咽を開き、鯛の子、鯛肝、鰯きずしを満喫。

 日本酒の2合に。鯛の白子焼、社長巻(あなきゅうのシャリ抜き)、烏賊下足焼、蛍烏賊酢味噌、鯵たたき…。至福である。とり貝は蛸を切ってもらい、ツマミに。

 同行者たちは好きなタイミングで1貫づつ食べたいネタを握ってもらっている。細かい注文にも対応して下さる。カウンターの醍醐味である。当然にカウンターは満席に。

 途中で赤出汁を挟む。私はこの店では赤出汁を途中で頼む。握りに移行する前の「トトノエ」である。そして、烏賊(塩すだち)、赤身、中とろを。

 芽ねぎという握りがあったので握ってもらった。文字通りの野菜寿司だが、苦みがさっぱりして口中がリフレッシュされる。最後はいくらを2貫。最高である。

 <天一>も<寿し天>も春しか足を運ぶタイミングが何故かない。初夏から時間が無くなる。天ぷらもスナックも寿司も、カウンターが最も味、雰囲気、会話が楽しめる超特等席である。

劇団M好

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春のシアワセ

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posted by machi at 11:42| Comment(0) | 兵庫県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年12月18日

第3560夜:春はカウンター【三宮・新長田(神戸)】(前編)

 春はあけぼの。古今から日本の風雅として親しまれているDNAワードである。厳密にこの言葉の意味は存じ上げないが、何となく暖かくほんわかのんびりなムードが感じられる。ただし、私にとって、春は「天ぷら」である。何となくだか。

 例年3月中旬からGW明けまで比較的神戸市内(自宅兼事務所)に居ることが多い。普段は引き籠りで独り呑みなどめったに機会ないが、知人との会食等で神戸呑みの機会が微増する。

 かなり分厚い曇り空だが暑くも寒くもない春はあけぼのな土曜の午後。新長田時代の盟友・M好氏にパソコンハード関連で様々お願いすることがあり、終わってから呑みに行くことに。M好氏は我が零細弱小会社のホームページとメールと名刺デザイン、バカブログを管理して下さっているアニキである。

 時間は17時前。この日、私は「春は天ぷら」気分だった。寿司と天ぷらはカウンターで味わいたい。向かった先はミント神戸の<天一>。愛してやまない専門店である。銀座が本店で、三宮店や京都店などでも満喫。店に電話を入れ、迷わずにカウンターを指定。

 生ビールで喉を潤し、複数あるコースの中で「桜」を指名。普段は貧乏な私だが、天ぷら屋では惜しまない。コースを満喫した後、コース外のネタをいくつか頼むのが我が流儀である。

 和風サラダで舌を湿らせていると、まずは海老。真打がトップバッターである。O谷選手が1番打者のようなものである。塩、カレー粉、レモン、天つゆ(大根おろし)を駆使。カレー粉、破壊力溢れる薬味だが、すべて持って行ってしまう諸刃の剣。慎重にいかねばならない。

 海老、サクプリ。淡麗上品な甘みがまさに春の曙。生の後は瓶、それからはひたすら熱燗をお替り。熱々も良いが、ぬる燗が春のあけぼの。天ぷらには白ワインでなくぬる燗である。

 春子鯛、椎茸海老詰め、アスパラ、帆立、筍、タラの芽、空豆…。嬉しいことにほぼどのネタもカットしてくれるので2ヶある。4種の薬味を様々にマトリックスで楽しめる。

 春爛漫なタネの中で白眉だったのが「蛤」。分厚く、噛みしめるほどに旨味があふれ出す。これまで吸物や酒蒸しでしか味わったことないが、度肝抜かれた。家庭ではまず再現不可能なプロの妙技である。

 コースの最後は穴子。これはカレー塩が相応しい。ボリュームもあり、シメに相応しい。しかし、これでシメない。蓮根、茄子、烏賊大葉を追加招集。思い残すことなく満喫し続ける。

 かき揚げは天丼か天茶を選択できる。本格天ぷら屋でしか味わえぬ「天茶」が粋。4種の香物を日本酒ツマミに山葵を溶き、サラサラと流し込む。

 熱いお茶でクールダウンしていると、和菓子が。濃厚な甘さ。フルーツでもアイスでもなく、和菓子である。風流である。〔次夜後編〕

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posted by machi at 08:47| Comment(0) | 兵庫県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする