<亀遊>。神戸三宮の東門筋と北野坂の間に位置する割烹である。
2023年2月中旬。神戸新長田の寿司屋で逝去された我が主君(叶_戸ながたTMO初代社長・U田司郎氏)を偲んだ後、数年ぶりに復活した二十数年来の付き合いになるママのスナックへ。
そこに<亀遊>オーナーのお母上が客でおられた。ママとお母上は私が生まれる前からの知り合いな雰囲気。その際、お母上とも意気投合し、近いうちに必ず店に行くと約束した。
「近々行く」「今度行く」などの口約束はまず実現しない。具体的に「いつ」と決めなければならない。私はママと会った3日後ぐらいに<亀遊>へ足を運んだ。善は急げである。
時は令和5年2月下旬。神戸新長田時代はほぼ新長田で呑んでいたが、月に数回は三宮で呑んでいた。神戸新長田を離れてからも年に数回は三宮で呑んでいた。しかし、令和2年4月以降、三宮で呑んだ記憶がない。コロナ以降である。
<亀遊>はオープンして10年ほどらしい。私が新長田どころか神戸、兵庫と御縁が無くなってからである。いざ、店内へ。4人掛けテーブルと7人カウンター。かなりゆったりである。居酒屋でなく割烹という雰囲気である。実際に割烹なメニューだ。
生で乾杯。お通し3種盛が気合満点。どれもひと手間加えられたプロの味。女将の息子さん(私より2歳年下)がマスター。同世代で嬉しくなる。
刺身盛合せ、抜群に旨かった。うに、鯛、よこわ、烏賊…。日本酒を熱燗でマスターにお任せ。料理に合う順で出してくる。
自家製からすみ、塩加減、柔らかさとも無双。これまで喰ったからすみの中でも出色の出来栄え。痛風にはデンジャラスな逸品ばかりだが、そんなことすら気にならなくなる。
生ビールをチェイサー代わり熱燗ガンガン。牡蠣と蓮根の天ぷら、すごいボリュームである。牡蠣の味が濃い。生ビールも激しく空いていく。日本酒は6種類楽しんだ。どれも個性があり、マスターの解説がどんぴしゃり。
最後にマスターが粕汁を出してくれた。ポタージュかと思った。朝来の竹泉という蔵元の酒粕らしい。そして、その竹泉の熱燗をやりながら竹泉の粕汁。シルモノ呑み好きには至福。
外国人と日本人が半々なお客の一群がご来店。時計を見た。え、23時前?4時間近く呑んでいたのか。お会計を済ませ、久々に<IBY>へ。客は誰もいない。
超久々の三宮呑み。レーズンバターをツマミにジントニック2杯とラフロイグ2杯。ゆったりした店内で話し込んでいると、お客がどんどん。いつの間にか満席に。先ほどの店と同じパターン。
夜遅くの2回転目、3回転目が動き出したか。アフターコロナは目前である。
自家製からすみ(手前)が無双の酒泥棒。
天麩羅の旬。
よく呑んだ。
プロのかす汁に驚嘆。
私が唯一通う三宮のバー。