ゆず湯。江戸時代から続く、1年で最も夜が長い冬至の日(2025年は12月22日)の日本が全宇宙に誇るべき美しき風習である。湯船に柚子を浮かべると実際に効能もあるらしい。ゆずは「融通がきく」、冬至は「湯治」という語呂合わせ(ダジャレ)もあるそうな。
ちなみに私は冬至翌日から夏至当日まで、何故かテンション上がり続ける。逆に夏至の翌日から冬至当日までテンションが下がり続ける。
私にとっての柚子は、冬季限定発売される柚子の缶チューハイ。私は蜜柑を一番チューハイでは好むが、冬の柚子チューハイも抜群。少々甘くても、どんな料理にも合う。一番好きな柑橘類は、昔から酢橘(すだち)なのだが。これは多分、徳島にルーツがある母方のDNAだ。
自宅マンションの給湯器がぶっ壊れ、修理交換手配の間に銭湯生活を楽しんだ。銭湯に「12月22日はゆず湯」と大きく張り出されていた。その日は埼玉県春日部の定宿(ビジネスホテル)故、ゆず湯のことなど諦めて、すっかりその存在すら忘れていた。
2025年冬至の夜。春日部NEXT商店街チーム有志と忘年会終了後、2次会のバーへ向かう。
有志のお一人で、我が春日部サードシーズン(南桜井トライPJ)にも絶大な協力を賜っているM輪興産のY子氏が1次会で抜けられることに。ちなみにY子氏とは12時間後に南桜井駅南口・庄和銀座商店会でお会いする。
Y子氏が去り際、大きな柚子をメンバーに1ヶづつ下さった。私も賜った。その時、ゆず湯のことを思い出した。バーからホテルに戻ったら、ユニットバスだがゆず湯できるのでは。
2次会のバーでバカ話に華が弾みすぎて、気づいたら冬至が終わっていた。帰路のファミマで無糖フルーツティーペットボトル3種(超お気に入り)とプレミアムなカップアイスを買って定宿に戻る。ユニットバスに湯を溜める間、カップアイスでムヒムヒ。
湯が張った。穴をあけず、身も解していないそのまんまの柚子を落とした。プカプカ浮かんいる。仄かに香りが舞っている。
素っ裸になり、ザブン。冬至リミットから30分ほどオーバーしたが、季節を楽しんだ。湯を抜いて、柚子は洗面台の横に置いておいた。
翌朝。ド鯨飲したのに酒が全く残っていない。就寝前のゆず湯効果か。歯を磨こうとユニットバスに入ると、芳醇で鮮烈な柚子の香りが充満していた。確変したかのように。
歯を磨きながら湯を溜める。昨晩よりも熱めの温度で。柚子に穴をあけ、中身を解す。さらに香りが強くなった。
湯が溜まった。ざぶん…。思わず笑みが漏れた。鼻孔に飛び込む爽やかで甘酸っぱく、洋ではなく和な香り。芳香剤と紙一重だが、ベクトルが異なる自然の恵み。心なしか肌がピリピリする感覚がある。直接効いているのだろう。
これほど贅沢な朝風呂はなかなか味わえない。ただし、湯を抜くときに種を救い上げるのに苦労したけれど。湯だった柚子の身を食べる気にはならなかったけど。
いただいた柚子。
ホテルのユニットバスで、柚子湯。

