『なぜ野菜売り場は入り口にあるのか』(朝日新書)。漫画かミステリ小説しか読まない私はめったにビジネス書は買わぬが、思わずタイトル買いした新書である。このテは期待外れも多いが、これまで読了した(数少ないですが)ビジネス書ではダントツに面白かった。
タイトルの謎は第1章でサクっと明かされる。そこからも圧巻である。大手スーパーだけでなく地場スーパーにも触れている。数値や事例が2024年〜25年だから情報の鮮度も良い。
師走の朝。この新書を読みながら集合時間より1時間早く東武野田線南桜井駅着。何故1時間も早くか。南桜井駅南口「庄和銀座商店会」の地場中の地場スーパー<みどりスーパー>で総菜を買うためである。普段ならミッション終了後に立ち寄るのだが、この日は終了後に北九州へ向かうため、立ち寄るヒマがない。昼メシを買うためスーツケースを引きながら向かう。
冒頭の新書に<みどりスーパー>は取り上げられていない。1店舗単独の埼玉・春日部愛溢れる地場スーパーだが、全国から客が訪れる。バスツアーも組まれるほどである。その理由は売場や商品で一目瞭然。毎回驚きと楽しみがある。いわゆる「ワクワク」である。
<みどりスーパー>は一般の食品スーパーのルールや尺度に当てはまらない。自由、豪快、慈愛、幸福、漏笑…。どちらかと言えばヴィレバンの世界に近い。
私の大好物の「伝説のカツサンド」と「そこらへんの草こえて森すぎたまごサンド」をカゴに。昼メシである。南桜井駅南口ロータリーのベンチがあった。そこで頬張ろうか。ただ、どちらも具がパンより分厚い。衣類の大惨事だけは防がねばならない。
この2品だけのつもりが、100円以下の酒のツマミになりそうな見かけたことないスナック菓子を3点カゴに。
100円引きの串を外したたっぷりのタレ焼鳥と200円代なのに10ヶぐらい入っている「そこらへんのとりからあげ」も思わずカゴに。3ヶ分はありそうな巨大おむすび(150円)も。
この夜は東京から小倉まで4時間45分新幹線。晩酌の肴は充実に越したことはない。夕方なら売り切れているが、正午すぎなら新たな出会いがたっぷり。
ベンチで2種のサンドイッチを頬張る。合わせて500円ちょっと。満腹である。何より旨い。腹を摩りながら南桜井駅北口へ。集合時間まで45分もある。北口はマンション建設中だが、圧倒的存在感を放つのが埼玉の地場スーパー<ヤオコー>。地場というには売上も業界4位で1兆円近い大企業(新書より)。冒頭の本でも頻繁に紹介されている。
埼玉県民はヤオコー大好きである。神戸市民の私も大好き。酒類の品揃えに加え、総菜とパンの旨さが際立っている。春日部店、浦和店、宇都宮店で買物したことあれど、南桜井店は初めて。買物するつもりはなかったのに、何故かカゴを手にしている。
パン売り場に私の愛してやまない「ブルーベリー&アールグレイパン」発見。ボリューム満点で酒のツマミにもなり、税抜300以下。迷わずカゴに。
ワインコーナーでオレンジワインが税抜700円以下で特売されていた。4時間45分の新幹線旅に頼もしいフルボトル。紙コップもカバンに入っている。
集合時間までまだたっぷり。総菜コーナーをチェック。どれも旨そうだが、圧倒的惹きが「生ハムチーズペンネ」。後日談だが、掛け値なしに最高クラスの旨さだった。
「むきえびとねぎのつまみ揚げ」、黒胡椒たっぷりに「トンテキ(山賊焼)」、わさびの細巻「なみだ巻」も気づけばレジに。
冒頭の新書に「なぜついで買いしてしまうのか」の考察があった。私も大手スーパーのAIに思うつぼである。
新書の中ではかなりの名著。
庄和銀座の、春日部の、埼玉の、首都圏の、東日本の、日本の、世界の、銀河の至宝。
東ともはる昼メシの流儀。
埼玉県人に愛されまくる。
(付記)
至福過ぎる新幹線4時間45分晩酌。オレンジワインを紙コップに注いだら、健康診断を連想してしまった。

