五島列島。この4文字で2025年夏までに私が知っていたことは‘長崎県の西に位置する島々’であること。たったこれだけである。
2025年秋、五島列島の商店街の方々とオンラインでお話する機会があり、島内にはアーケードを有する商店街が2団体あり、中心部には5商店街が連盟していることを知った。島の郊外には全国チェーンの専門量販店が進出していることも知った。五島の島々は「五島市」として統一されていることも後から知った。
そして2025年の師走、五島列島へ訪れる機会を得た。しかし、どこにどうやって行けばよいか分からない。日程が近づくにつれ、私と五島市の商店街関係者と調整に奔走した本ミッション担当者から細切れに情報が入ってきた。
五島へ向かうには飛行機か船。まあそうだろう。五島空港で検索したら「五島つばき空港」「五島福江空港」と出てきた。エッ?2か所も空港があるのか。
宿をネット検索するといくつか出てきた。このあたりがいいかなとヒットした宿を押さえようとしたら、全然違う島だった。
五島福江空港が正式名称で、つばき空港は愛称だった。要するに、同じ空港。航空会社はANAとJALが福岡空港と長崎空港から乗り入れしているようだ。神戸空港からSKYで長崎空港を経由して五島福江空港という路線もあるが、時間帯その他を勘案して新神戸から新幹線で博多。地下鉄に乗り換えて福岡空港が最も効率良いルートと分かった。
長崎だけで6便、福岡は8便も飛んでいる。実に力強いが、福岡空港発着のJALはすべて満席でキャンセル待ち。ANAは12時過ぎの便にわずかに空席が残っていた。
取り急ぎANAを押さえたが、ふと気づいた。両会社とも同じフライト時間…。コードシェア便というヤツで、永遠のライバル会社の競演というか共同運航らしい。つまり、1日8便ではなく4便だった。
満席のプロペラ機に揺られること50分。テイクオフの前から眠り込んでしまい、起きたら着陸に向け降下を始めていた。50分はあっという間。雲海の下には紺碧の海が陽光に煌めいている。島も見えてきた。かなり神秘的で荘厳な光景である。
空港内の無人観光案内所でマップやパンフをいくつか入手し、福江港へ向かう路線バスに乗り込む。空港と港の間に私の目的地である「本町通り(名店街)」がある。
飛行機は満席だがバスは私を含め3人だけ。車窓を眺めつつ「五島市の玄関口 福江地区ガイドマップ」に目を通す。私のミッション先は列島最大の「福江島」に位置していた。
中心部から離れた島の海沿いには寺院や教会が数多い。「潜伏キリシタン」という文字が多数みられるので、長崎で弾圧されたキリスト教徒が五島列島まで逃れてきたのだろう。歴史も重みを感じさせる。長崎県平戸市の生月島を巡ったことを思い出す。
69店舗が紹介された充実のグルメガイドに加え、「劇映画孤独のグルメ×長崎県五島市」と記されたチラシが。すべてのシーズンを見逃さずに鑑賞してきたが、劇場版だけは見るタイミングを逸していた。ロケ地だったのか。帰宅したらアマプラか何かでチェックせねばならぬ。〔次夜後篇〕
2大航空会社のコードシェア便。
空港から街なか商店街までバスで10分ちょっと。

