2035年9月2日。世界中から大金持ちが佐野に集結する日である。予言、推測、期待、願望でもない。確定した未来である。大宇宙に天変地異が起きなければ。
さのまちなかワークショップ全3回最終回のテーマは「まちなか拠点のビジョンを考えよう!!」。佐野を愛してやまない8人の男女で考えた。
佐野の中心部には元銀行跡地として約570坪の広大な更地がある。県道拡幅事業で幾分土地の成形は変わるかもしれないが、活用しないテはない。
私のような頭の固いヨゴレには採算性や規制ばかりに固執し、ユニークで魅力的な提案など思い浮かばない。ところが8人の男女が繰り広げる提案の嵐は実に魅力的。
夢溢れる企画や施設、実現可能な展開…。実現には様々なハードルあれど、皆さまのアイデアを吟味、組み合わせていけば世界が注目するまちなか拠点が誕生するかもしれない。
最後に、全3回を通じた感想を述べあった。その中で、冒頭の世界中の金持ちが佐野に集結する日の話を聞いた。この日、皆既日食が日本に起こるという。
日本列島で、それも本州での皆既日食は148年ぶりという。その時間は2分54秒。日本各地で食分(というらしい)が観られるそうだが、その比率は「0.8」を超えるという。ただし「1.0」は細い皆既帯(というらしい)に佐野が含まれているという。ただし佐野での皆既日食時間は2分54秒よりも短いようだ。
皆既日食や天体ショーを世界中で追いかけている超大金持ちが相当数おられるようで、何かのサークルであるらしい。秘密結社の香りもする。虚実分からぬが、その観測スポットとなる土地がすでに買い上げられているという。思わず目を剥いた。
2025年秋、「秒速5センチメートル」という新海誠監督アニメの実写版が放映された。当初、私は全く関心なかったが、長年お世話になっている北九州商工会議所の御仁が岩舟、そしてこの映画を絶賛されており、劇場まで足を運んでみた。舞台は都内のどこか、種子島(もしかしたら串本かもしれない)、そして佐野の隣町・岩舟である。
岩舟町は栃木市に吸収合併されたようだが、経済圏は佐野市。JR佐野駅と岩舟駅は隣接している。その岩舟駅および実在するのか分からぬが1本の大きな桜の木がある。その桜の木の下で中学生の頃再開を誓った男女の物語。十数年後、再開を約束した日が、何らかの天体ショーの日だった。ちなみに秒速5センチメートルは、桜の花びらの落下速度であるらしい。
もし私が2035年9月2日まで生きていれば、61歳。体力の衰え著しいが、まだ佐野へ向かう体力、気力はかろうじて残っているかもしれない。
私は最後の挨拶の際、8人の男女に2035年9月2日に佐野のどこかで再会することを提案してみた。全員、私に目を合わせず無言になった。

