日田(風)焼そば。大分県日田市発祥の、一般のソース焼そばやパリパリしたあんかけ焼きそばなどと一線を画す独特のパリパリ食感が中毒になるご当地麺である。
本場で食したことないが、10年以上前に福岡県内のどこかで日田焼そばを展開する<想夫恋>の支店(たぶん)で味わった記憶が残っている。
秋晴れが気持ち良い11時ごろ。1週間ぶりに博多駅へ。1週間前、隣駅(吉塚)の馬出中央商店街エリアで豚骨ワンタンメンをハシゴし、改めてその無限の奥深さに開眼した。
10店舗ほどが集積する博多駅構内「めん街道」は‘保険’とし、博多口エリアをブラブラ探訪する。しかし、オフィス街のためかあまりラーメン路面店を見かけない。
博多駅構内、地下街は迷宮ゆえ迷子になるかもしれぬのでスルー。逆側の筑紫口付近を探訪するが、同じくあまり見かけない。
仕方ない。めん街道でキメるか。店は入れ替わっているだろうが、10年ほど前に全店舗制覇した偉業を思い出す。いずれにしても、めん街道は久々である。
どこで啜ろうか。ワンタンメンか、チャーシューメンか。替玉するか2軒ハシゴするか。替玉なら最初は「普通」か「カタ」、2玉目は「バリカタ」にするか。腕時計は11時半を指している。30分もウロウロしていたのか。そろそろ店を入らねば。
エスカレーターでめん街道へ。目を剥いた。凄まじい混雑ぶりである。まっすぐ歩けない。どの店も大行列。そして、その行列がどの店の行列なのかも分からぬほどの密集っぷり。
折しも、政治的影響で中国人観光客の渡航制限が連日ニュースを賑わせていた時期。フェイクでないかと思うほどの中国語の氾濫。人酔いしそうになり、筑紫口から徒歩5分ほどのミッション会場へブラブラ向かってみる。そのあたりなら空いているかもしれぬ。周囲はミッション会場をぐるり囲むように弁当系キッチンカーなどが林立。大行列の弁当屋もある。
その中に派手な看板の豚骨ラーメン屋があった。ミッション会場からもほど近い。時計を観ると正午前。店外にスーツ姿の国家公務員たちで溢れている。あまり並びたくない。
少し先を歩くとさらにラーメン店発見。店の前に4人ほど並んでいる。豚骨ラーメンは回転が速い。並びたくない以上に、もう歩きたくない。4人なら待とうか。
店に近づいていく。4人の間に間隔があった。その先に20人ほどが待機。さらに間隔があってさらに20人以上が行列。最後尾が見えぬ。制服姿の警備員数名が沿道整備に勤しんでいる。
心が折れた。小倉と異なり、博多へはめったに足を運ぶ機会がない。貴重な一食である。近くにKメダ珈琲があった。B−ガーキングもあった。全国チェーン居酒屋のランチもあった。
切なさが胸に溢れる。とても午後からの濃密ミッションを完遂できる自信がない。時間は正午過ぎ。会場入りまで55分。行列に並ぶと危険。駅に引き返す時間も怪しい。〔次夜後篇〕
ラーメン屋の行列。後ろが見えないほど。
弁当屋の行列。ここで開店できるなら儲かるか。

