<天領うどん>。日向市にて1966年に創業された宮崎県民のソウルフードという。辛麺、チキン南蛮など「メニュー(商品)」として全国的な知名度を得ているブツと違い、あくまでもこの店が宮崎県民のDNAに響くらしい。北九州<資さんうどん>のような存在なのだろう。
朝6時からPC猿打し、ひと段落してユニットバスで凝りを解した南国延岡の土曜の朝。10時にはチェックアウトせねばならず、乗車予定の特急は11時40分過ぎ。駅構内のコーヒーショップで2日連続飛び込むつもりだが、大特急のカキモノも片付けてしまった。
たいていの店の昼営業は24時間全国ファストフードチェーンを除けば、たいてい11時か11時30分ごろ開店。11時40分過ぎの特急を逃すと次は2時間後。乗り遅れるわけにはいかない。駅近くですぐに料理が出てくるような店で11時開店の店はあるか。
ネットで検索していると冒頭の<天領うどん>で出てきた、10時開店。我が宿から歩いたら15分ぐらいか。レビューは絶賛の嵐で埋め尽くされている。
2週間前の昼に分厚いチキン南蛮定食を、24時間前に真っ赤な辛麺を、9時間前に豚骨ラーメン?(飛騨ラーメン)を啜った。優しく柔らかい味で体を少しいたわりたくなった。チキン南蛮も辛麺も、どちらも抜群に旨いが毎日はキツい。常食系ではない。
9時40過ぎにチェックアウト。スーツケースを引きづりながらノンビリブラブラ地図を頼りに向かう。幹線沿いに屹立していた。その真隣が辛麺で全国展開しているという超有名店。道路を挟んだ対面は経営方針が下品下劣極まりない某全国チェーンのうどん屋。
真隣の辛麺屋には2週間後の昼にダイブしようと心を固めつつ<天領うどん>の入口へ。到着と同時に営業中のノボリが設置された。一番乗りである。
入ってすぐに券売機が門番している。卓上タッチパネル方式でなさそうだ。私の後ろにはアッという間に行列が。
じっくり戦略を立てる余裕なく、とりあえず屋号を冠した「天領うどん(400円)」を押す。麺大盛ボタンもあったが、初めての店は量が分からない。いなりやおにぎりより、もう少し攻め角度のキツいサイドメニューは…。
「ミニ牛めし(260円)」を見つけた。合わせて680円。チケットを渡して冷たい水を飲む。卓上メニュー表があったのでじっくり観察。
最高値はカレーうどんと肉うどん(680円)。私の「天領うどん」はかけうどん(360円)の次に安い。天領うどんには「釜揚げつけ麺」とカッコ書きが。釜揚げはめったに啜らないが、冠を背負った商品。期待が膨らむ。
3分ほどでブツ降臨。うどんは細麺。つけ汁にはたっぷりの揚玉とネギが浮いている。牛メシは味噌汁茶碗のミニサイズだが、ずしりと重い。
まずはつけ麺から…。九州独特の甘さを感じないシャープで切れ味鋭い味。つけ麺の出汁ゆえ、普通のうどん出汁よりも当然のごとく濃い目。うどんは柔らかいがコシも感じられる。大盛でも余裕だった。ただ、次回はカレーうどんか肉うどん、天ぷらうどんを試してみたい。
牛メシ、思った以上にご飯の量が多く、濃い味付けの牛肉を食べ終えても半分ほど残っている。ひらめいた。出汁に浮いているたっぷりの揚玉をライスに乗せ、七味をたっぷり振りかける。残った出汁は済まし汁としてワシワシ食らいつく。いやはや、味変背徳の魔性に化けた。
私の席からおでんがグツグツ煮えているのが視界に入る。1ヶ120円均一で、テイクアウト可能とある。好きなタネを10種類ほど選んだ。今夜の自宅晩酌の肴である。
土産コーナーにはうどん以外にも何故かチーズケーキや饅頭なども売られている。その中に店名を冠した「天領ドーナツ」340円を買ってみる。天領おでん晩酌後の天領デザート。
購入から5時間ほど経過した小倉駅で、汁などが零れていないか確かめた。全く零れていない。厳重な封である。たっぷり汁の二重袋が頼もしい。それ以上に、5時間たったのにまだ出汁が充分に温かった。恐るべし、天領の魔法陣である。
ロードサイドの熱い一角。
いざ、天領へ。
惹かれるPOP。
買わずにいられない。
降臨。つけ出汁たっぷし。
肉たっぷりな牛丼。
最後はコラボ。
何を買おうかな。
袋も味わい深し。
神戸に戻ってもまだ温かい魔法。

