ハーブティ。私はペットボトルの無糖紅茶が好物である。無糖フルーツティなら大好物になる。しかし、私は喫茶店やカフェ、チェーンコーヒーショップやファストフード店では真夏でもホットコーヒー。紅茶は頼まない。ハーブティなど頼んだ記憶がない。
ハーブティを扱うお店は、私にような初老の呑んだくれヨゴレオヤジにはハードルというか、バーがDュプランティス級に高い(付記:この時は東京世陸に夢中)。
残暑厳しい9月下旬の正午過ぎ。門司港栄町銀天街付近の大衆中華であんかけやきそばを堪能した後、私より何歳かオヤジだがイケメンダンディなのでカフェ巡りしても可笑しくない商工会議所門司SC・K本センター長と、ハーブティが掛け値なしに似合う美女・O隈経営指導員と腹ごなしにセンター長おススメのカフェへ。
センター長がガンガン先導する。車どころかスクーターがギリ通れる狭さの傾斜のきつい坂道を登っていく。すべて住宅かと思いきや、すんごい目立たない看板でカフェが並んでいた。
指摘されるまで全く気付かなかった。門司港レトロと反対方面に地元の支持が分厚い名店や魅力あふれるゾーンがグングン爆誕している。いや、はるか以前に誕生していたのか。
メルヘンすら感じさせる通りのドンツキに、芝生を備えたカフェが。<HERB CAFÉ Poca Poco>。オシャレな女性店主のセンスが店内に溢れている。隠れ家中の隠れ家だが、センター長曰く満席で入れないことも多いらしい。この日はカウンターに常連さんが独りだけで、テーブル席を確保できた。豊富なドリンクメニューの中から、ハーブティに。
この日は暑くて汗ダクだがホットで。メニューを見ると、ハーブティだけで10種類以上あった。私のようなハーブティ童貞にはハーブ名を書かれても分からない。メニューには商品名でなく「番号」と「効能」だけ書かれていた。素晴らしく分かりやすい。見事な工夫である。
「しっとり美肌」「リフレッシュ」「花粉症・アレルギー」「免疫力アップ」…。
前夜に小倉で呑みながら煙草を吸い過ぎで喉がイガラっぽかったので「のどのイガイガ」に惹かれたが『ダイエットの助っ人』には敵わない。20分ほど前に大衆町中華であんかけやきそばを啜ったばかりなので、助っ人の助力を得よう。
隣に座るO隈美女と初めて会ったのは十数年前の若松。当然、その十数年が加算されている。O隈美女は美人っぷりに妖艶さを纏うようになり、ますます磨き煌めている。
ハーブティメニューから「アンチエイジング」を彼女に勧めてみた。この行為、令和7年のコンプラなら一発アウトだろう。
目の前に座る上司のセンター長に詫びると「彼女はすごい美人なのに普段ずっとマスクを外さないから、食事とかに誘わないとマスクを外した美人の顔が見れない」と濃厚にグレーなコメントをかぶせてきた。女史は笑いながらオヤジ2人のハラスメントを軽くいなしている。
ハーブティが出てきた。3分ほど待って、カップに注ぐらしい。3杯分ほど入っている。待っている間、センター長はデザートを喰いたくなったのか「ケーキ3人前!」と居酒屋のように快活な大きな声で叫んだ。
私はダイエットの助っ人(ハーブティ)を呑んでいる。ケーキで帳消しどころか、助っ人にならない。しかし、プラマイゼロと捉えることもできる。林檎ケーキを味わいながらキリっと薫り高いハーブティ。甘くないのでケーキに合う。新たな世界が広がった。
門司港レトロと逆側の昭和レトロな商店街と激シブ大衆町中華、そして路地の奥の奥のカフェのハーブティ。観光客が絶対にたどり着かない、選択しない、思いつかない濃密極まりない2時間半。御両人と別れ、私は地場スーパーへ。
この日は神戸に戻るだけ。晩酌の肴の買い出しである。それと、センター長が勧めて下さったテンプラの店にも立ち寄らんば。ダイエットの助っ人も私を助けられそうにない。
どこへ行くのか。
どこまで行くのか。
どこへ入るのか。
オヤジには超絶ハードル。
商品名でなく「効能」は分かり易い。
「Hダイエットの助っ人」。
ダイエットの強敵。
ハーブティの似合う美人経営指導員と。
思った商品の斜め上を行く超名店でした。

