松栄軒様。鹿児島県を統べる駅弁の調整元である。私はフリーになってから鹿児島県が未踏ゆえ本場で駅弁を捕獲できないが、小倉駅で入手できることがある。陸路(電車)で本州と行き来しようとすれば、すべての線路は「小倉」に通ず。
延岡から大分で乗り換えて小倉へ。特急2本乗り継いで4時間弱。さらに小倉から新神戸まで2時間新幹線。延岡は県北だが、もし宮崎駅ならさらに1時間はかかりそうだ。
小倉駅新幹線改札内へ。乗車まで10分。駅弁売場を覗く。小倉駅弁はとっくに食べ尽くしたと思っていたが、九州各地の駅弁が増えていた。本州(西日本)の駅弁もそこそこあったが、さすがにそれをわざわざ九州の玄関口で買う気は起らない。
余談だが、毎回大分駅では乗換時間3分。改札内に駅弁売場どころか売店すら見当たらない。改札を出る時間もなく、大分駅弁やご当地麺を現場で対峙できないこが幾分残念だ。
この日は土曜である。新神戸までの2時間強、久々に駅弁夕酌に。「桜島鶏のから揚げ御膳」「中津風唐揚げ弁当」の2ヶを捕獲。1ヶは自宅晩酌用である。
唐揚で全国的に有名な中津は大分県。桜島鶏は推測するに鹿児島県。調整元はどちらも<松栄軒>様。鹿児島の雄がどんどん攻め上がっている。明治維新のようである。
グリーン車と同じゆっとり感が最高な「さくら号」指定席乗車。秋の訪れを感じさせる冷えた「秋味」ロング缶をカシュ、グビビビビ。
まずは「桜島鶏のから揚げ御膳」。唐揚メインの幕の内。中型サイズのから揚げ4ヶを軸に煮物、ポテサラ、キンピラ、玉子焼など隙なき陣立て。ライスの上の錦糸卵や高菜も嬉しい。
から揚げはあっさりだが味深い。煮物も出汁が効いてビールが進む。錦糸卵や高菜は酒の肴になる。ポテサラのコクに笑みが漏れる。ビールが瞬殺したので、缶ハイボールのロング缶。
唐揚げ(鶏)は牛や豚と比べて冷えても旨い。広島を通過したあたりで完食した。
まだ1時間ある。自宅晩酌のための「中津風唐揚げ弁当」の掛け紙を外してしまった。カバンから宮崎県内限定「霧島」カップ焼酎を取り出す。黒・赤・茜でない「霧島」である。
中津「風」唐揚げ、大きい。色もより醤油色というか。濃い。煮卵が圧倒的存在感を放っている。唐揚げにかぶりつく。下味に時間をかけているようだ。
この2種類のから揚げ(唐揚げ)駅弁、値段の際は数十円。「からあげ」の漢字の当て方も異なっている。しかし、ふと違和感があった。からあげは全く異なるが、他のおかずが何となく似通っている。掛け紙をガン見。「桜島鶏」は松栄軒。「中津風」は…<博多松栄軒>?
系列なのか支店なのか分からない。オトナの事情も絡んでいるのかもしれぬ。鹿児島、宮崎、大分、小倉。東九州沿岸の「からあげ駅弁」対決、まさかの同門決戦だった。勝敗は…がっぷり四つの水入りである。
鹿児島の唐揚げ駅弁。宮崎の焼酎で。
絢爛な酒のツマミ弁当(鹿児島)。
大分(中津風)の唐揚げ弁当。鹿児島と色が違う芸の細かさ。

