我が駅前の定宿チェックイン可能時間まで1時間。多治見のシンボル「ヒラクビル」へ。1階はカフェとセレクトブックショップが併設。<喫茶わに>で熱い珈琲(わにブレンド)を注文。珈琲を入れてもらう間に、隣の本屋へ。これも我が必須ルーティンである。
1階がテーマ、2階が作家ごとに構成されている。私が手にしたのは『化者園』(恒川光太郎 中公文庫)。「人間はおもしろい。だが、飼ってはならぬ。 身の毛もよだつ究極のホラー七篇!」。帯の甚句も踊っている。夏ゆえ、怪談話が涼である。
夏の盛りに、鰻の街で昼鰻を満喫し、まちのシンボルで熱いコーヒーを飲みながら併設した本屋で入手した小説を読む。私の夏のルーティンであり、風物詩である。
鰻後はヒラクビルへ。
喫茶わに。
2階へ。
作家別コーナー。
熱い珈琲と真夏の階段。
■令和7年:土用の丑の日(2日目)の5日後
電車が遅れて予定より15分遅れで多治見駅着。道中、気が気でなかった。たかが15分、されど15分。13時到着予定が15分ずれるということが、鰻屋の昼営業時間に間に合わない可能性が倍加する。13時半ごろラストオーダーが多数を占めている雰囲気だからだ。
改札を出ると、たじみDMOのM井氏がスタンバっていた。O口COOの右腕か左腕だかの有能な御仁。氏とも鰻友である。
氏が最もお気に入りが<S中>。私も多治見入りする3回に1回はこの店を満喫している。
鰻丼「特」を大盛で。私たちの注文と同時に「準備中」になった。間一髪である。
肝吸、香物、デザートを従えて王が降臨。フタを外す。笑みが漏れる。山椒をパラリ、まずはひと齧り…。2年ぶりの口福である。甘さを抑えた奥深いタレの官能を白飯と一緒にワシワシ。香物も抜群すぎるアシスト。たっぷり白飯が鰻の濃厚を抱擁する。
鰻丼は腹持ちが良い。この日も夜ミッションを終え、酒とメシにありつけるのは21時過ぎ。エナジーが丹田から湧き上がってくる。
駅前の定宿チェックインまで1時間。<ヒラクビル>の「喫茶わに」でブラジルブレンドを注文。T平店長にゆっくり淹れてとお願いする。その間に隣接する本屋で1冊買うために。
前回はホラー&幻想短編集(化物園)。面白かった。今回もホラー&ミステリ短編集『怪談小説という名の小説怪談』(澤村伊智 新潮文庫)。真夏はホラーである。
熱いブラジルブレンドを味わいながら、サービスのクッキー1枚を齧る。仄かな塩気が汗で失われた塩分を絶妙に補給してくれる。
買った文庫をパラパラ。魅力と不気味が交錯するタイトルがたまらない午後。私にとっての夏の丑の刻参りである。ドンピシャの日は激混だろうから微妙に日程はずらすけれど。
M井氏お気に入りの名店。
この店も最高。
何を買おうかな。
真夏の怪談と熱い珈琲。

