<セレクトイン佐野駅前>。私の佐野市内における定宿である。駅から近いこともあるが、ミッション先である佐野市役所まで徒歩1分程度という近さも魅力である。
宿泊価格は変動するが、公式HPから予約すると割引がある。ロビーで提供される24時間無料コーヒーサービスも嬉しい。いつか忘れたが前回利用した際は宿泊客限定の「豚汁サービス」がシアワセだった。具沢山だったことも記憶に残っている。
日中が初夏の陽気だった5月下旬の18時前。3カ月ぶりに佐野へ。佐野ミッションの際、小山市や栃木市で宿泊することが多かったが、翌朝9時過ぎに佐野市役所で用務があることなどから久々に佐野の定宿(セレクトイン佐野駅前)を予約した。
佐野駅前のコンビニで酒を買い込み、定宿へ向かう。以前啜ったことのあるラーメン店が閉店していた。居酒屋はそろそろ開きだした時間である。
この夜は定宿周辺でイッパイやるつもりだったが、春日部市南桜井エリアの圧倒的魅力地場単独スーパーで大量のポテトフライや数の子入り松前漬などを緊急捕獲したこともあり、部屋呑みに切り替えた。私が知る限り1軒だけ定宿近くに夜遅め営業の佐野ラーメン店があり、そこで締めるかどうかだけを決めかねていた。その時の胃の余裕具合、酔っ払い次第である。
フロントに向かうと、その横の朝食会場入り口に思いっきり「佐野ラーメン」の赤暖簾が。完全にラーメン屋にしか見えない。店内にオープンしたのか。実に心強い。代わりに前回あった無料豚汁コーナーが消えていた。期間限定の特別別サービスだったのかもしれない。
新人と思しき表情豊かな若いフロント嬢に何時まで営業しているのか尋ねると、はにかみながら「いえ、あの〜、営業しているんじゃなく…スタッフが作ってお渡しするんです」。
イマイチ要領を得なかったが、とりあえず宿泊料金を支払う。この日のレートは「4,603円」。ホテル代の値上がりも爆増中の令和7年初夏現在、ユニットバスが付いた個室部屋で税込5,000円以下とは聖母級の奇跡。
支払いを済ますと、ペットボトルの水を1本下さった。前回には無かったサービスである。地味に嬉しく有難い。そして、温泉入浴剤3種類から1つサービスという。私は自宅で湯を張る際に温泉の素を投下することが多いので、これも嬉しい。「秩父」を選択する。
さらに1枚のチケットが手渡された。「佐野ラーメン 1杯無料サービス券」と印字されている。「ご宿泊のお客様限定!」「営業時間18:00〜20:30」「当日限り有効」の文字も添えられて。
度肝抜かれた。何という「夜鳴きラーメン」サービスなのか。時計を見ると18時過ぎ。営業開始時間である。しかし、まずは部屋で荷を解き、ユニットバスに湯を張って凝りを解し、TVでナイター(ファイターズvsホークス)観ながら部屋呑みから始めた。
バーガーチェーンのLサイズの3倍はありそうなポテトフライや数の子松前漬で缶チューハイや地酒を満喫しつつ熱戦を堪能していると、気づけば時間は20時に近づいていた。ウェルカム佐野ラーメンサービスタイムは残り30分。急がねばならない。いったん独り中締めに。
浴衣を脱いで私服に着替えて会場へ。アラブか南米系と思しき私などより遥かに流暢な日本語を話される女性スタッフにチケットを手渡し、番号札を受け取る。
メニューがどこにもない。完全に宿泊客限定無料サービス一択なのだろう。水を飲みつつスマホをいじっていると、私の番号が呼ばれた。ブツに胡椒をパラリしてテーブルに戻る。
2枚のナルト、2本のメンマ、そして刻み葱。これが全容である。チャーシューが小さくても1片でもあればと一抹の寂しさを感じるも、無料ゆえ高望みは野暮の極み。
まずはスープ。醤油ベースのあっさり。佐野らしいちぢれ麺がスープに絡む。そして、思ったよりも量が多い。小椀サイズと思いきや、思いっきり通常の1人前。
呑んだ後の胃に慈愛が染み込んでくる。外に出ずとも、ホテル内で佐野ラーメンを啜れる至福。カップ麺の佐野ラーも旨いが、手作りには叶わない。
汁1滴残さず飲み干した。暖簾をくぐってフロントの前を通ると、チェックイン時のお姉さんが笑みをうかべて「ありがとうございました」。私も満面の笑みでお礼を返した。
フロントの横。誰が見てもラーメン屋と勘違い。
熱いサービス。
部屋晩酌。
ラーメン会場へ。
しみじみと旨い一杯。

