『花まんま』。直木賞受賞の大阪人情SF小説である(たぶん)。たしか10年以上前に文庫化された際に読んだ記憶がある。選考委員の選評の中で「大阪の街がよく書けている」という賛辞通りの名作だった気がする。
時を経て2025年春、2人の超人気スター主演で映画化された。記憶に纏わる不思議な物語である。大阪の街が主要舞台だが、物語のカギを握るのが滋賀県彦根市。滋賀県パートで近江鉄道の乗車シーンが登場する。
私は2015年前後に年6回ペースで2年間、近江鉄道に乗って近江八幡駅から八日市駅まで往復していた。それから10年の歳月がたった2025年の蒸し暑い初夏、10年ぶりに近江鉄道に乗って東近江市(八日市)へ向かった。
切符売り場は列ができている。並んでいると、横のラックに『花まんま』ロケ地マップがあった。手に取って眺める。彦根市周辺が主要舞台で、我がミッション先の東近江市は含まれていない。一抹の寂しさを感じつつ八日市駅まで約20分のローカル線の旅を楽しむ。
私が滋賀県内で御縁深いのは圧倒的に守山市、次が東近江市。滋賀県へ訪問するのは2年に1回程度だが、訪れるたびに戸惑う光景がある。ここは埼玉かと勘違いしそうな「ライオンズ」マークとペイントである。近江鉄道は西武グループなのか。県内を疾走するバスはライオンズの選手送迎のようである。近江八幡駅ホームでもライオンズ推しの展示があった。
10年ぶりに八日市駅に降り立った。ミッション会場集合時間の90分前である。10年前と雰囲気が変わっている。グッと活気が増している。当時は無かった大手ビジネスホテルも屹立。
駅前のショッピングモール<アル・プラザ>で東近江市の地酒(300ml)と市内洋菓子店のラムレーズンケーキとドーナツ購入しても、時間はまだたっぷりある。10年前は毎回夜ミッションなので東近江(八日市)で昼メシを喰ったことがない(はず)。最近、記憶の衰えが著しい。
<近江ちゃんぽん亭>。滋賀県のご当地の味である(と思う)。発祥は彦根。県内でよく見かけるし、へえこんなところにもというショッピングモール内でも見かけることがある。
何店舗展開してるか分からぬが、30代の頃に啜った記憶がある。あっさりとした醤油味で野菜たっぷり。この時、私にはハマらなかった。以降、口にすることはなかった。私の生活圏にこのチェーンはないこともあるが、稀に見かけても1oも私の関心を惹かなかった。
モールを出てきょろきょろすると、この店の看板が視界に。あまり選択肢もない。この日は蒸し暑く、あまり散策で汗をかきたくない。
5カ月前に購入し頑丈がウリのはずがこの日の移動中コマ車輪が壊れた(砕けた)スーツケースを引きづり店内へ。サラリーマン、作業員、高齢夫婦、学生など多様。〔次夜その2〕
昭和の国鉄か令和7年3月上旬までの鳥取駅のような有人改札。
近江は何故かライオンズ推し。
駅前のシンボル。
活気を増した駅前。
十数年ぶりに。
(付記)
近江ちゃんぽん亭、令和7年暮れにJR神戸駅構内に爆誕していたのには度肝抜かれました(啜りませんでしたが)。

