2025年09月16日

第3753夜:あたまの流儀【春日部(埼玉)】

 頭(あたま・アタマ・ヘッド)。生物の頭部であり極めて重要な器官である。人体的な意味以外にも「頂点」「リーダー」「司令塔」などの意味も含まれているだろう。

 これらの比喩は私には全く関係のないワードだが、牛丼チェーンにおいては私にとって極めて親しい意味を有する。その際は漢字でもカタカナでもなく「あたま」と表記する。

 冬の夜22時。下野市内でミッションを終え電車を1時間乗り継いで春日部駅西口の改札を出た。この日は午後の佐野市ミッション前に佐野の人気ラーメン店でチャーシューメン大盛、ジャンボ餃子5ヶ、麻婆丼を腹に入れていたため、22時になってもそれほどの飢餓感はない。しかし、呑みたい。呑むにはツマミが必要だが、呑みに行くスタミナは残っていない。

 とりあえず定宿に向かう。途中、3大牛丼チェーンの一角<M屋>がある。私の普段の生活圏にM屋はないが、春日部では何度もお世話になっている。テイクアウトすべく、店に飛び込む。券売機から「あたま大盛」をタッチ。それも丼でなく「皿」。

 牛丼チェーンにおいて「あたま」とは具を意味する。私が選択したのは牛丼の具だけの大盛。ライス抜きである。ツマミに好適。紅生姜と七味の小袋を多めに頂いて店を出る。すぐ対面に牛丼3大メジャーから派生したうどん&丼の<Nか卯>が24時間フル稼働している。

 牛丼のあたま(大盛)だけでは心もとなくなった。<Nか卯>に飛び込み、唐揚3ヶ入りを選択。1ヶからでも販売して下さる。そして、もう一品。「かつ丼のあたま」。いわゆる居酒屋メニューの「かつ煮」である。

 唐揚とかつ煮は多少調理時間はかかりそうなので、その間に真隣の<Fァミマ>でチューハイや発泡酒、ハイボールなど数本捕獲。それと、もう一品。<なかU>に戻ると出来上がっていた。無駄のない動きである。

 <なK卯>から徒歩3分弱の定宿にチェックイン。ユニットバスで凝りを解し、M屋牛皿&Nか卯かつ煮の「あたま晩酌」スタート。1階のレンジを使わなくても、まだ温かい。

 唐揚を齧り、発泡酒をゴキュゴキュ。2つのあたま、どちらも味が濃い。本来は丼の「あたま(具)」なので、白米と中和され馴染む味に調整されている。しかし、その分酒が進む。

 翻訳ミステリの傑作『女彫刻家』(創元推理文庫)を読みながらのあたま晩酌。明日への活力がみなぎる。牛(牛丼の具)、豚(かつ丼の具)、鶏(唐揚)を食べ終え、缶も数本飲み干した。何故か、晩酌を始める前よりも飢餓感が増している。

 Fァミマでもう一品買っていた。「武蔵野風うどん」。聞いたこともないうどんだが「武蔵野」とは埼玉を指す地名。ここは武蔵野(春日部)。M屋&Nか卯メニューは神戸でも味わえるが、ファMマのご当地メニューは武蔵国(埼玉)でしか味わえぬはず。

 レンジで5分弱とある。その間に洗濯物一式を袋に詰めて1階へ。レンジで温めている間にコインランドリーを回そうという完璧な軍略である。

 エレベーターで1階に。3つの洗濯機の中で1つだけ空いている。ヨシと思った瞬間、すっと私の横を私と同年代と思しき女性が横切り、唯一空いている洗濯機に衣類を放り込んだ。

 まさに、タッチの差。思わず小声で「うわッ」と私の口から悲鳴が漏れた。女性は私に振り返り、ニヤリと勝ち誇った笑みを浮かべた。

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左のM屋、右のFァミマ&Nか卯。

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あたま晩酌。

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コンビニのご当地もの、レベル激高。

posted by machi at 06:59| Comment(0) | 埼玉県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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