はま〜い。某大手回転寿司チェーンのCMで若手人気女優が発するお馴染みのフレーズである。恐らくこの女優さんはこの回転寿司チェーンをプライベートでは利用していないだろう。CMにおいても、明らかに店の雰囲気から華やか過ぎて浮いている。
比較的暖かな1月中旬の夜。栃木市内のミッション会場からミツワ通り商店街を抜けて駅方面へ向かう。ミツワ通りの始点であり終点なのが「はま〜い」でお馴染みの回転寿司屋、某ハンバーグステーキ系ファミレス、はま〜いと同一グルプの牛丼3大メジャー一角。
ミツワ通りは入りにくそうな老舗カラオケスナックが点在しているが、唯一私が入れるのがバー<ブーザーズ>。神戸の自宅から6時間かけて栃木入りし、2時間しゃべり倒した。とりもなおさずビールで喉を開かねば夜を閉められない。
30分ビール2本のはずがマスターやママ、常連さんと話し込み気づけば60分ビール4本。
店を出る。腹が減り過ぎている。時間は22時。この時間帯で私が知る限り固形物を口にすることができる飲食店は、前述の3大チェーンのみ。ただし、ラストオーダーが分からない。
牛丼チェーン<Sき家>は我が自宅から最も近い飲食店ゆえスルー。ファミレス<Bッグボーイ>は先月か先々月この店でメシを喰った。私が向かったのは2階のはま〜い回転寿司。確か1〜2年前に1度だけ独りで飛びこんだ記憶がある。我が人生で2度目のはま〜いである。
私は普段、回転寿司は利用しない。車を持たぬ私の生活圏にないからだ。出張先で見かけないこともないが、ラーメンやカツ丼をチョイスしてしまう。
はま〜い寿司屋のメニューはまさに百花繚乱。寿司、ラーメン、うどん、揚物、スィーツなど大充実。何か戦略を立てねば独りゆえに迷宮に迷い込んでしまう。
ラストオーダーが45分後。閉店が1時間後だった。間に合った。ビールで充分に咽を開いたので期間限定の「越の寒中梅」(300ml)をタッチパネルで洗濯し、お茶をチェイサーにする。
タッチパネルをいじりつつ戦略を立案。期間限定コーナーを攻めるか。しかしこの期間限定メニューだけでも凄まじく豊富。
あるキーワードが林立していた。「柚子」。いかにも冬らしい。回転寿司でしか柚子風味は味わえないだろう。「柚子」を軸に据えた。いずれも税抜100円〜160円という慈愛である。
第一陣は「柚子塩」系を放つ。「アカイカ柚子塩(2貫)」「炙り真鯛柚子塩(2貫)」「炙り大切り中とろ柚子塩(1貫)」「煮穴子柚子塩(2貫)」。
私の席番号は「1番」だった。つまり、レーンの最も端。それも始点。壁からいきなり出てくるので油断ならぬ。普段のシゴト以上に集中力を発揮し、かなり速度のあるレーンから皿をつかみ取る。
卓上には醤油やゆずポン酢など5種が林立。しかし「柚子塩」には不要。柚子の風味が効いた塩味に目を細める。中でも炙り真鯛が秀逸。中とろも炙りと柚子塩で脂っぽさが緩和されて美味である。〔次夜後編〕
<ブーザーズ>。2本のつもりが4本に。
貴重な選択肢。
5種を駆使。
チビチビと。
第一の陣。

