薩摩芋。この食材のスィーツ店が全国各地でニョキニョキ誕生した。タピオカ店撤退後の店舗跡に多く見られる。ただし、すでに薩摩芋スィーツも2024年下期あたりからリンゴ&イチゴ飴に取って代わられつつある。スィーツというより王道の焼き芋が底堅い需要があるようだ。
このバカブログがアップされる頃には果物飴からさらに異なる業種業態が生まれているかもしれない。サイクルが異常に速い。
私にとっては2025年一発目の小倉旦過市場ミッション。終了後、7人で紺屋町のカクレガ<T&H>へ。この店、掛け値なしに最高である。西日本でベスト5に余裕で入っている。
エビス、プレモル、ラガー、ドライ、一番搾りなどの小瓶で乾杯。これらを飲み比べる導入部ですでに気持ちが舞い上がる。辛く苦しく重い事象が霧消する。
一皿目から気合満点の大皿。サーモンの塩昆布トッピング、ピリ辛数の子、鮪ヅケ山芋とろろ、牡蠣のチリソース、烏賊刺身の練雲丹乗せ、そして河豚皮の煮凝。
松の内はとっくに明けたが数の子に正月の名残を感じる。痛風の大敵だが、プリポリが止まらない。鮪ヅケとろろは熱々ご飯にぶっけかたい欲求が狂おしい。牡蠣のチリソース、刮目のコラボレーション。烏賊雲丹に笑みがとまらない。煮凝りのプリプリは官能である。
2皿目は大量に盛られた手羽先の唐揚。シンプルかつ定番だが、絶妙極まりない塩梅と揚げ具合。伸びる手が止まらない。むしり喰う。芋焼酎の濃い目の水割鯨飲モードに突入。
今回の呑みはいつものレギュラー4人に加え、ビッグゲストに昨年度まで旦過担当だったT村氏も参戦。氏とは旦過ミッション終わりに数え切れぬほど呑んだ。つもる話に華が咲く。
鴨の低温調理ロースが降臨。わさび醤油で頂く。これまで食べてきた鴨ロースとは別の喰いモノ。鴨ってこれほど淡麗で旨味が爽やかだったのか。
茸の何とかというこれまでの50年で全く未体験な逸品を満喫後、ポタージュが一人一皿。薩摩芋だった。砂糖を一切使わない素材だけの甘味。
世は空前の薩摩芋ブームだが、これは決定打だろう。このスープ、大ブレイクの予感あり。ただしこの店のマスターにしか醸し出せぬ匠の技術。
腹もおさまった。焼酎のボトル2本が空になった。ビールの小瓶が冷蔵庫からすべて滅失。大満足である。そろそろお開きといいう頃合いに、なんとメインディッシュが降臨。2種類の超極上ステーキである。
わさび醤油で堪能する。柔らかくジューシーで上品極まりない霜降り加減。無言になってしまう天界の宝石。添えられているのが厚揚と蒟蒻のおでんであるところが無双のセンス。
実質的に時間無制限の呑み放題。今回も期待以上の領域展開。この日から3月下旬までの約2か月間、ほぼ毎週旦過入りする。毎週通う贅沢は許されぬが、この店は完全に私にとってご褒美店。年度内にもう一度行けたらな。毎回予約して下さる旦過市場のN村氏にお願いせねばならない。

