自治医大。数ある医大の中でも超難関な医大である。自治医大がいかに難関かを何度も耳にしたが全く頭に入っていない。強烈に難しいという印象だけが焼き付いている。あまりにも私とかけ離れた世界ゆえ、入ってこないのだろう。
自治医大は下野市内に屹立する。最寄駅は自治医大駅。下野市は小金井、自治医大、石橋のJR3駅を有しているが、自治医大エリアだけ明らかに雰囲気が異なる。お医者様が多く住まれているらしく、すべてが別格。店の雰囲気も若く新しい。地価も賃料も高い。
下野市内の我が主要ミッション先である下野市役所は自治医大駅の前にある。ミッションの前後、自治医大がある方(東口)の<Tリーズ>を頻繁に利用する。
松の内も明け、幾分寒波も和らいだ1月中旬。午前中に栃木市役所、午後に下野市役所でミッションを終え、そのまま<Tリーズ>で狂ったようにPC猿打。この日中に終わらせねばならぬノルマを達成した。解放感に満たされる。お宿は自治医大駅から1時間以上かかる春日部。
時間は17時。ふと気づいた。下野市と御縁を頂いてまもなく3年。そして、下野市との御縁も後1か月。この間、下野市内で食事したのは片手以下でないか。酒を呑んだことは皆無。小金井と石橋と比べれば、自治医大周辺は多少呑み屋が多い。下野市内で初呑みするか。
駅へ向かう。荷物が多くあまり歩きたくない。駅の真ん前の居酒屋が開いていた。<串焼とおでん 笑顔亭>。手頃である。開店直後らしく、客はまだいない。カウンターに通された。
生ビール(中)が660円。栃木県はアルコールが高い。しかしビールの大瓶も660円。迷わず大瓶に。お通しが鶏もつ煮。甘辛く酒が進む。実に旨い。期待が高まる。
メニューは豊富そうだが私は独り。多く注文できぬ。本日のおすすめボードに絞る。
1品目は「ごぼうの唐揚」。地味に大好物である。たっぷりと出てきた。塩と七味をブレンドしチョン付けで頂く。サクサク食感の後に押し寄せる野趣。ビールが進む。ごぼう唐揚、他の店でもこのメニューがあれば私が注文せずとも誰か注文している。ファンの支持が底堅い。
2品目は「揚げ出し大根」。おでんは想像がつくため傾向を変えてみた。揚げ出し豆腐は数え切れぬほど食したが大根は初めてかも。
大きくカットされた4ヶ。口に運ぶ…。熱い。大根の汁が口内で弾ける。出汁も染みて絶品。この揚げ出し、時間を経ても冷めない。正解の選択である。
串焼はハラミとカシラ。ハラミはレモンで。塩加減が絶妙。カシラは寄居風の辛味噌。ジューシーで柔らかく、これほどの絶品になかなか出会えない。気づけば大瓶が2本空になった。
お会計は思ったより安かった。メニューはすべて税込表示だった。栃木県あるあるとして、1品の量が多い。そして、酒も肴も単品値段は高いと感じるが、会計するとそれほど高くない。個人的な栃木県七不思議である。
シメを啜るべく駅の反対側へ向かう。下野市役所の真横に屹立するうどん屋<田舎や>。この店はつけ汁うどんと味噌煮込みうどんが2枚看板。それぞれにメニューが派生する。
前回を忘れたが、この店は2回目。1回目は昼に何かのつけ汁うどんを啜った。今回は味噌煮込み。4種の中で「ピリ辛つくね入り白みそ煮込みうどん」を選択。瓶ビール(中)も。
店内に流れるTVニュースをぼんやり見ながらシメを待つ。ぐっつぐつと音を立てて降臨。一瞬たじろいだ。小鍋でなく、鍋のサイズである。凄まじく熱そうだ。
白菜、つくねなど具をツマミにビールを呑む。酒のアテとシメを兼ね備えた究極の逸品。うどんは極太の手斬りゆえ伸びることなし。半熟卵も固まらない不思議。これも七不思議だ。
つくね、確かにピリ辛である。ビールが進む。そして、食べれば食べるほどに旨さが増す謎っぷり。白みそも絶妙の塩梅。気づけば鍋サイズがすべて胃袋に吸収された。
お客がどんどん入ってきた。ほぼすべて「白みそ煮込み」を頼まれている。この味の看板なのか。またしても私は正解を引き当てた。
下野市との御縁も残り1か月。ただし、その間に5日間も下野入りする。下野に広がる魔性溢れる茶褐色の沃野。国分寺がこの地に建てられたのも納得である。千数百年前だけど。
自治医大駅前。
至福の始まり。
ごぼう唐揚。大好物。
大根の揚げ出し。美味。
安定感たっぷり。
笑み零れる旨さ。
下野市役所の真横。
巨大うどん。

