<いかさき>。徳山(周南)の地魚が喰いたいと切望した我が熱情に、S南市役所U野部長が応えて下さった海鮮居酒屋である。
山口県内の地酒9種類を鯨飲した切望の夜から約3週間後。U野部長とO木課長の同じトリオで向かったのが冒頭の<いかさき>。駅前中心部や歓楽街から幾分離れているが、予約必至の人気店であることは巨大いけすが店頭に鎮座する外観のオーラからビシビシ伝わってくる。
生で乾杯。お通し(赤酢蓮根)をツマミながらまずは刺身から。地物の蛸がコリコリで旨い。アイナメのような白身も淡泊で奥深い。〆鯖のシメ加減も精妙。脂の乗った鯖がキュっと引き締まっている。貝類で最も愛してやまないサザエの磯強さと歯ごたえは他の追従を許さない。
私は赤ナマコが大好物である。一味をた〜っぷりと小皿にこんもりさせ、チョン付けして口に運ぶ。私にとっては冬の風物詩。正月の足音が近づいていることを連想させる。
生をもう1杯お替りした後は、周南市内の地酒「中島屋」「原田」を交互に鯨飲モード。都合4〜5本が空になる。
秀逸だったのが「いわし丸干し」。大きく丸々と太っている。頭から齧る。ワタの苦味と野趣ある白身。これぞ瀬戸内の代名詞。塩気の強さが地酒のピッチを加速させる。
この1匹で熱々の白メシを丼2杯は軽い。アルマイトのドカベンサイズの弁当箱にびっしりつめた冷めた白米と合わせても日本人のDNAレベルで震える旨さだろう。しかも、1匹110円。思わずお代わりしてしまった。
天ぷらも驚天だった。蛸は言わずもがな、海老が凄い。味噌も濃く、プリップリの身が口の中で弾ける。素材の良さと卓越した調理技術が織りなす奇跡に打ち震える。
課長が頼まれた板わさが絶妙の箸休めである。瀬戸内沿いは練物が旨い。山口県の逸品かどうかわからぬが、味も濃い気がする。
大きなアジフライにひれ伏した。アジとイワシ、サワラは瀬戸内を代表する青魚。タルタルソースをたっぷり絡める。思い出すだけで生唾が湧く。
アジフライ、定番料理と思いきや、数年前から地味なブームゆえか、以前より呑み屋などで見かけるようになった。アジフライ専門店も生まれた(一瞬で滅失したが)。しかし、これは別物。この店でしか味わえぬ神レベルである。
地酒と地魚。周南の地物を思う存分満喫して駅方面へ向かう。もう1軒、私がリクエスト。飛び込んだのは、私が今年度初回にダイブした駅前の<タイヨウギョーザ>。大賑わいだが奥のテーブルが1席かろうじて空いていた。
餃子、唐揚、青菜炒め、ポテトフライを満喫。当然のごとく地物でなかうが安定・安心のレギュラー陣。飲み物は、2軒目だったが50歳以上のオヤジ3人、90分呑み放題コースである。
まちなかから少し離れたド名店。
2軒目は中華で呑み放題

