2025年07月10日

第3711夜:神々の神門通り【出雲(島根)】(後編)

 本殿に向かう途中、出雲にまつわる神話をモチーフにした銅像などが至る所に屹立。広大な敷地である。神社仏閣に疎い私でも格の違いが伝わってくる。

 ひたすら速足で突き進み、本殿の注連縄を一瞥してさっと引き返す。神々は全国へ戻って不在らしいが、全国から観光客が押し寄せている。ふと気づいた。あまり外国人を見かけない。

 出入口付近にシートを掛けられた土俵が。相撲の神様も別枠で祭っていた。

 神社よりも、商店街。再び神門通りへ。体が冷え切った。腹も減った。暖まりたい。

 蕎麦屋の前では「新そば」の文字が躍っている。しかし出雲そばは冷たく頂くのがたしか正統。店を物色していると、ある店の前で鯖寿司の試食を勧められた。<日本海>という店だ。

 ふと思いだした。確か、この店の「かに寿し」を出雲駅構内の土産物売場で捕獲して出雲の地酒と味わった。私がこれまで食したかに系駅弁の中でダントツに旨かった。

 店内は満席だったが、いっきに店を出たので客が不在に。私は、飛び込んだ。メニューを観ずとも推しは一択。「のどぐろ丼」だった。

 のどぐろは山陰を代表する高級魚。私も煮付などで味わったことがある。出雲入りの際に刺身か何かで食べた。脂ノリノリの白身。私は本来、このテが超絶に苦手。しかし食べられた。

 しかし、この推し丼のキャプションが凄すぎる。「全国ご当地どんぶり選手権in東京ドーム 2019年 2020年 二連覇達成(グランプリ獲得 観光庁長官賞)」。

 値段は1100円。しじみ汁セットで1400円。店頭で販売されていた「のどぐろ寿司」が3000円だから、比較としては相当に安い。セットを注文する。

 私に試食を勧めて下さった販売員の鏡のような素晴らしい接客熟女、まさかのワンオペ。店頭販売、試食、調理、配膳、片づけ、洗い物などを一人でこなしている。

 金色の丼がフタをして運ばれてきた。神西湖産しじみ汁を従えて。丼としじみ汁の器の大きさが変わらないので、従えてでなく腕を組んでな登場だ。

 まずはしじみ汁…。じんわりと旨い。しじみしか出せない風味。日々酷使している肝臓が喜んでいる。丹田の底から温まってくる。

 小ぶりなフタを開ける。超高級魚の鮮度最高(たぶん)生切り身がびっしり。ネギの深緑、わさびの淡緑、刻み海苔の真黒が黄色がかった白身を彩っている。

 まずは切り身を一口…。濃厚である。しかし、食べられる。脂っぽいがクドくない。飯を書き込み、しじみ汁を啜る。しじみも粒が大きい。

 「のどぐろ丼のタレ」というマーケティングの常識を覆した市販品を垂らてワシワシ。これ以上多いとしつこくて食べられないかもしれぬ。まさに適量。名物を思う存分堪能できた。

 電車で出雲大社前へ。新門通り(参道商店街)を散策し、境内をブラブラ本殿まで往復。新門通りでのどぐろ丼としじみ汁を満喫し、街なかへ向かう路線バスに乗る。この間、わずか45分。超絶プチ出雲参りである。

出雲7.jpg

境内。

出雲8.jpg

日本神話のワンシーン。

出雲9.jpg

神々の聖地。

出雲10.jpg

相撲の神様。

出雲11.jpg

惹かれる一角。

出雲12.jpg

試食。

出雲13.jpg

試さずにいられない。

出雲14.jpg

殿堂入り。

posted by machi at 09:05| Comment(0) | 島根県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: