スサノオ。古代日本の暴れ神であり、出雲地方の英雄である。天照大神の弟でもある。歴史&伝奇ミステリ&マンガ好き(の私)にはお馴染みの大スターである。
汗が止まらない8月上旬の夕刻。出雲市駅の改札を出た。ミッション開始まで2時間。駅前の定宿に荷物を預けても充分に余裕がある。腹も減った。
改札を出てすぐに視界に入るのが<出雲の国 麺家>。1か月ほど前、この店で駅弁を買った。JR西日本駅構内やホームにある立ち蕎麦屋と同じ屋号だが、全くテイストが異なる。別の資本なのだろう。
入口に貼られているメニューが気になった。「スサノオラーメン」。強そうである。地元産の味噌に麹をブレンドしたダントツの一番人気とある。‘スープがおいしいから他のラーメンより1,5倍スープ増量’と自信に満ちている。頼まない選択肢はない。
このラーメンを軸にした「神話セット」がかなりの推し。日本三大蕎麦・出雲割子そばに飛魚がベースの高級かまぼこ「大社飛魚野焼き」も添えられている。
大きく出た感のある商品名「神話セット」を注文。すると、オレンジジュースか烏龍茶がサービスという。オレンジを選択した。
スサノオラーメンが980円、割子そば(1枚)がたぶん300円。野焼きが5ヶで400円。セットは3ヶなので240円と計算できる。オレンジジュースが300円。しめて1820円。セットは1400円だから400円以上お得。まさに神話級の振舞である。
しまね和牛の丼もかなり押している。そばとラーメンが競うようであり、ツマミ系や酒もそこそこ充実している。朝10時から休みなしのようで、これから重宝しそうだ。
目の前には「祝 夏の甲子園出場 島根県立大社高校」のPOPが。大社高校は初耳だが、大社という名から出雲市内の高校と推測可能(調べればすぐわかるが面倒なので)。
神話が眼前に広がった。スサノオ、メニュービジュアルよりかなり貧相。しかしメニュー写真をよく見ると「大盛」とある。私が頼んだのは普通サイズ。深く納得する。
ラーメンとそばを同時に啜った記憶がない。どのように攻めれば良いか分からない。ヤマタノオロチのように首を振り、まずはスサノオラーメンから全力で攻めることに。
札幌以外でめったに味噌は啜らぬが、なかなか深い味わい。麹の味が分からぬが、何となく麹らしさも感じられる。半熟卵が実質1ヶなのも嬉しい。玉葱の甘みも効いている。麺は黄色い縮れ麺。スープと良く絡む。1.5倍増量スープが頼もしい。
間に高級かまぼこ(野焼き)を挟む。わさび醤油で頂く。これ、好きな味。歯ごたえも強い。ビールや地酒がヤリたくなる。
ついに対峙叶った出雲割子そば。出雲そばの店は関西や北九州でも見かけることはある。ただし、啜った経験なし。
私の蕎麦は立ち蕎麦が99%。それも真夏でも熱い汁。ざるそば系は料理屋で出されたら美味しく頂くが、独りで店に入って単独で注文することはめったにない。皆無かもしれない。
色は濃い。かなりの細切り。エッジが立っている。ツユをぶっかけて啜るとある。初の出雲そば…。私のバカ舌では蕎麦の繊細な味の違いは分からぬが、美味しかったです。
残った味噌スープを飲み干す。〆のオレンジジュースを楽しみながら再度メニューを見る。出雲は「ぜんざい発祥の地」らしくメニュー化されている。出雲、さすが奥深い。歴史は神話レベルまで遡れる。深さの底が知れない。
この店で次回は何を攻めようか。島根和牛丼か、島根和牛カレーか、思い切ってぜんざい、割子そば3段か…。うどんの割子3枚もあった。何故か蕎麦より100円高かった。
JR出雲市駅改札正面の最重要施設。
召還。
おめでとうございます。
懐かしいというか、まだこんな湯呑があったのね。
ラーメンのビジュアルは少々写真指名と異なるが、熱いラーメンと冷たい和蕎麦の組合せは初めてかも。