デキャンタ。ワインがたっぷりと注がれるガラス容器である。平均でどれぐらい量が入るのか知らぬが、フルボトル(750ml)は入らない気もする。
九州南部に災害級の大雨となり、九州北部にもどんよりとしたデンスフォッグが空一面に立ち込めた水無月の小倉の午後。1か月ぶりに魚町周辺を歩く。
半年少し前に大火災に見舞われた鳥町食堂街。積まれたガレキに仮囲いや目隠しも施されず、観光名所のようにバシャバシャ写真を撮りまくられていたが、仮囲いで覆われていた。ガレキ撤去が始まったのだろう。
一日も早い復旧復興を祈念しつつ、2か月前に10店舗弱が全焼した魚町サンロードへ。コチラはあっという間の更地に。
2022年4月から2年間で小倉中心部は4度の火災にさらされた。魚町4丁目飲食店街が2度、鳥町食堂街、魚町サンロード商店街。その間、枝光本町商店街でも漏電火災があった。
ガレキは大きく2つに大別される。建物の躯体と、建物の中の設備や備品。これが同じ持ち主ならまだマシだが、異なる場合は撤去にも時間が掛かる。様々なケースを学ばせて頂いた。
単なる再建どころか、強烈極まりない高付加価値が毎月のように追加され、3年後には完全に生まれ変わることが予知できる旦過市場ミッション終了後、小雨の中、5人で<本陣>へ。
大瓶が380円で堪能できるこのウルトラ人気店、2カ月前の火事で数店舗隣まで全焼していた。風向きなどでこの店で喰らっていた可能性も。紙一重である。
チンチンに冷えたビールで乾杯。瓶と生は別物の旨さ。ただし瓶は触ると痛いほど冷えているべきである。生もしかりだが。
焼鳥盛合せ、雲仙ハムソテー、ポテトフライなどをツマミに大瓶をお代わり。10本ほど空いたあたりで、酒精をチェンジ。
旦過市場呑み会グループは複数あれど、私が所属するチームは3カ月前までビールの後は焼酎派が多数を占めていた。ボトルを頼み、ひたすら濃い目の水割りを浴びる。
そして2024年6月現在、最初から最後までビール派が主流派に。焼酎のボトルを呑み切るには多勢に無勢。ハイボールや焼酎をグラス単位で頼んでも、ピッチが速い私には注文の手間が面倒。忙しい人気店、店員さんの不可削減に少しでも協力したい。
ふと気づいたのが、ワインのデキャンタ。銘柄も分からぬが1,100円。ちなみに焼酎ボトルは2000円弱。ワイン、ちょうど良いではないか。
デキャンタ赤ワインが運ばれてきた。徹頭徹尾ビール派でないレジスタンスたちにもグラスにワインを注ぐ。1つのデキャンタでなみなみと5杯分あった。気づけば2度、デキャンタをお替りしていた。トータル3000円強。どっちが得だったのだろうか。