4月26日金曜日の夜。このゴールデンウィークに突入する前夜に都内屈指の繁華街・新橋駅前の居酒屋で二十名以上が集う懇親会があった。
十数年前の新長田時代、私が東京へ出張した際は新橋か田町に泊ることがほとんど。新橋でよく呑んだ。2010年に新長田を離れてから都内、特に23区とは御縁が滅失。泊まるどころか呑む機会さえ無くなっていた。月数回都内を通過するが、改札から出ることも稀になった。
十数年ぶりの新橋呑み。17時半ごろからスタートし、呑み放題ゆえきっちり2時間で退席。店員さんから何度も退出をせかされた。入口にはお客が並んでいる状態だ。
この日、私は品川から新神戸まで直通する終電の新幹線を予約していた。時間は21時。新橋から数駅ゆえ、余裕を持っても20時30分に発てば十分に間に合う。
二次会に移行する雰囲気だ。1時間だけで中座しようと店内で煙草を吸っていたら、気づけば誰もいなくなっていた。グズグズして取り残されてしまった。
1時間、どうするか。新橋駅前はまっすぐ歩けないほど人で溢れている。居酒屋からは人が外まで溢れ、ラーメン店も長蛇の列。十数年ぶりの新橋、酒と人に酔いそうになった。
とりあえず品川駅へ向かうことに。京浜東北線で向かうと、一駅手前で停車したまま動かない。人身事故らしい。何もこんな日に、と思いながらホームを移動し山手線で品川駅へ。私が予約している最終便まで1時間。券売機の前も引くほどの行列だ。
発車まで1時間。凄まじい人流。新幹線の改札内に入る前に売店エリアを覗く。毎週のように東京駅は利用しているが(ただし改札内のみ)、品川は久々。
美味そうな弁当や総菜で溢れる中で眼を惹いたのが、愛してやまない<つばめグリル>のハンブルグステーキ。しかも、大きなサイズ発見。電子レンジで温めて頂けると書かれている。
温めても新幹線に乗る頃には冷めている…。熱々を待合室で味わおう。しかし、ベンチシートが開いているか。これは賭けである。リュックには安ワインのフルボトルが入っている。ハンブルグステーキ(ハンバーグのこと)と赤ワインで新幹線発車まで楽しみたい。
温めたブツを手に改札内待合室へ。ベンチシ−ト満席。ところが、5席しかない個室風ビジネスゾーンの1席が開いていた。しかも無料。注意書きに「飲食のみの利用は不可」とある。
一瞬諦めそうになったが「飲食のみ」を深読み。飲食だけではダメだが、パソコンを開けば「仕事しながらの飲食」になりセーフになるのでは。
モバイルブースは機能美に溢れている。照明、上着掛け、コンセント。パーテーションである程度の個室感もある。
リュックからパソコンを取り出し、電源を入れた。打ちもしないパソコンを起動させ、仕事している感を出す。続いて赤ワインのフルボトルを取り出す。ハンブルグステーキのフタを外し、アルミホイルを剥がす。まだぬくもりがある。
待合室の個室風モバイルブースで、姑息にパソコンの電源を入れ、赤ワインをラッパ呑みしながらハンブルグステーキを満喫。淫靡で背徳な秘密基地である。居心地が良すぎて、最終新幹線に乗り遅れそうになってしまったけれど。
十数年ぶりの新橋周辺。
久々に捕獲。温めて頂く。
新幹線改札内モバイルブース確保。
開封の儀。
マイ個室状態。
Yオコーのチーズパン、大好物。

