2024年11月29日

第3547夜:首都圏の麺流【小倉(北九州)】(後編)

 待つ間、食べ方や特徴のPOPに目を通す。カロリーは汁ラーメンの3分に2らしい。それにはおどろきだが、Wの私はカロリーはどれぐらいか。卓上のラー油と酢をたっぷりかけて熱々で混ぜて喰うのが作法という。

 卓上調味料は酢、ラー油、胡椒、豆板醤(たぶん)、そして刻み玉葱。玉葱入れ放題が実に心強い。ウォーターポットは氷の他に木炭が。レモン輪切など、水に拘った店はハズレがない。期待がグッと高まる。

 ブツ降臨。なかなかの迫力である。眩しい原色の世界が展開されている。中央に鎮座する半熟卵をつぶすタイミングがこの勝負の分かれ目だ。

 酢のものが好物だがラーメンに酢はあまり合わぬと日頃感じている。郷に入らば何とやら。酢は少なめに、ラー油は多めに掛け回す。軽く混ぜて啜る…。

 旨い。まろやかで刺激的。ラー油の辛みと酢の酸味が激しく絡み合う。3分の1を啜り終え、半熟をつぶす。さらにグッチャグチャに混ぜ合わせる。

 底にタレのようなものが溜まっていたのか、ビジュアルも激しく濃くなった。そして、旨さが増した。紙エプロンが無ければ大惨事。しかしこの日、私は紺の作業着ゆえ何も恐れない。

 麺1本残らず焼失。東京の麺波に抗えぬ。願わくば、追加料金を払ってでてお椀に少しでもスープが添えられていたならば。

 その夜。氷雨降る中、6人で古船場方面へ。目当ての居酒屋が満席で入れなかったので他の店へ。客は誰もいない。奥座敷は暖房を切っていたようで寒い。

 生で乾杯。氷雨の夜だが、生で始める習慣は永遠に終わらない。ただし2杯目からは焼酎に。黒霧島シリーズを世に送り出している酒造メーカーの麦焼酎「ほろる」。芋のようであり、麦でもある。独特の風味の麦焼酎。フルーティーで杯が進む。こんな麦があったのか。

 この店は久しぶりである。山芋鉄板の持ち手カバーが最高に味わい深い。初めて来た際、この店で落研出身のキクちゃんに落語を一席強要した。驚くほどプロの話芸だった。

 そんなキクちゃん、私が4時間前に啜った油そば店をオープン間もない時期に1時間40分も並んで啜っていたらしい。午後から半休を取ったのか。彼はランチパスポートをこよなく愛する男。私と昼飯の店の趣向が極めて似通っている。

 ちょこちょこと料理を注文する中で、気になるメニューがあった。「カレー唐揚」。

 カレー味なのか、カレールーを唐揚に垂らしているのか。あるようでないメニューである。頼まずにいられない。他の料理は早めに出てくるが、カレー唐揚は時間が掛かっているのかなかなか出てこない。まさか、カレーを作るところから?

 2本目の焼酎ボトルが残り半分になった頃、カレー唐揚降臨。…。思わず目を剥いた。えぇッ!?という驚嘆が口から洩れた。

 全く予想していなかった。カレー唐揚、カレーでも鶏でもなかった。「カレイ(鰈)」。魚だった。首都圏や関西ではおそらく「カレイ」だが、北九州では「カレー」と発音するのだろうか。

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やっぱり汁が欲しいです。

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激シブの名店です。

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フルーティです。

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北九州定番の山芋鉄板。この店は超個性的であります。

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一番上を注文しました。

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度肝抜かれました。

posted by machi at 10:16| Comment(0) | 福岡県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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