電子レンジ。言わずと知れた昭和生まれの文明利器である。当然我が自宅にもある。毎日使わないが、ないと困る。我が家で最もレンジが活躍するのはパック飯を温める時である。
時期によるが、自宅滞在より旅先が多い(2023年度まで)。温泉地など特殊な事情を除けば、ほぼビジネスホテルを利用する。その標準設備の一つに電子レンジがある。ちなみにコインランドリーは必須設備にして頂きたい。それも24時間使えるように。
出張先の夜はほぼ呑み会のため、部屋でメシを喰うことがなかった。ただし、栃木県内ミッションシーズンUが始まった2022年度から呑み会の機会が滅失。昔は一人で呑みに行っていたが、アラフィフになり、面倒になったというよりホテル部屋独り晩酌の楽しみに開眼した。
ビジネスホテル独り部屋晩酌の場合、仕入れ先は可能な限り神戸で見かけない地場スーパーを選ぶ。その土地の名産が郷土料理が総菜や弁当になっている。地酒もラインナップ。ソトノミと比較すれば圧倒的に安い。
2024年になってからワインにハマった。ただし私は味覚音痴のバカ舌ゆえ、スーパーなどで捕獲する1本500円前後のスペインかチリワイン。赤ならば無理に冷やさず呑める。
ユニットバスで凝りを解す。部屋着に着替え缶ビールや缶チューハイを2,3本開けた後、750mlのボトルを呑み干す。晩酌の友は新聞かミステリ小説、コンビニで捕獲する漫画だ。
ある2月上旬の日曜。翌日は佐野で朝昼、春日部で夜というトリプルヘッダーゆえ、佐野駅前の定宿の前泊することに。
佐野駅から定宿までのルートにおいて、私の知る限り日曜はチェーン居酒屋が2店舗しか開いておらず、一般店は定休日。探せば開いているのだろうが、神戸から6時間かけて辿り着いている。探す気力も体力もない。老いを痛感する。
新幹線車内から、この夜の独り晩酌の戦略を練っていた。とりあえず、大宮で途中下車。普段は<力>の焼とんか<日本一>の焼鳥だが、毎週のように堪能ゆえ別角度を欲した。
まずは大宮駅東口の巨大古書店でさいとう・たかを先生の『藤枝梅安』廉価コミックを2冊購入。そして、普段降りない西口へ。
少しぶらつくと<餃子の王将>があった。出張中に王将に入ろうとこれまで思ったこともなかったが、アプリ会員ゆえ1人前無料クーポンがある。
ピンとひらめくものがあった。そこで3人前テイクアウト。そのまま駅近くの100均に飛び込み、電子レンジ耐熱用タッパーを購入。
ホテルの部屋でタッパーに餃子を移し、熱々を頬張るための新兵器。その破壊力にニヤニヤしながら乗換の小山駅前の<ドンキ>へ。激安の赤ワインや乾きもの、ジャワティを捕獲するのを忘れてはならない。
ほくそえみながら小山方面の電車に乗る。隣に座る女性が席を立った。降りるわけでもなく、単なる移動。焼きたての餃子、匂いテロだったようである。
関西人が出張先で王将に立ち寄る無常。
秘密兵器。
破壊力抜群。