ミス・ピーチ。会津若松市中心部屈指の観光拠点飲食店<あいづ塩蔵>を切り盛りするまちづくり美魔女・稲M姐さんの二つ名である。
早朝に北九州小倉を発ち、19時半ごろ会津若松神明通り着。新幹線、バス、ひたすらPC猿打。目、首、肩、ボロボロである。それでも全集中できたのは<塩蔵>で旨しビールと地酒、おばんさいを心置きなく満喫したいから。
営業時間は何時までか分からぬが、お客がいれば20時頃っぽい。私が飛び込んだのは19時半過ぎ。ギリギリだ。
キンキンに冷えた生ビールをゴッキュゴキュ。明日から冷え込むらしいが、この夜は雨で寒さを感じない。11月の東北なのに、生温かい。琥珀の奇跡が舌、咽を疲労とともに洗い流していく。すかさず2杯目をお代わり。
お浸し、薩摩芋と根野菜の煮物、玉子焼、鰈煮付、冷やしトマト、漬物、唐揚…。体が喜んでいる。独りモノの私にとって縁遠い家庭の味。料理はすべて姐さんのお任せだ。
会津の地酒に切り替える。途中、他県の銘柄も組み合わせながら。気づけば日本酒の瓶がずらりと8本も並んでいる。
姐さんのトークも面白い。姐さんは学生の頃1年間「ミス・ピーチ」を務められた。決めポーズ(ズームイン)をキメる若かりしT光和夫氏の両サイド80年代テイスト溢れる美女6人。その中で圧倒的センターかつオーラを放っていたのが眼前の姐さん。
福島県は「桃」の生産が日本屈指らしい。桃といえば岡山だが、福島も負けていないという。岡山の桃は「白桃」で甘くて柔らかくてジュルジュル。福島の桃は固いという。
その説明だけ耳にすると岡山に完敗な気もするが、ミスピーチたちは全国を駆け巡ぐり、至るところで桃を配っていたそうな。メシを喰う暇もなく、衣装のまま移動。食べ物を買いに行けないので桃ばかり食べていたという。さすが、ミスピーチである。
姐さんが第20何代かのミスピーチで、令和の今でもミスピーチが選ばれ続けているという。思った以上に凄い歴史だ。
姐さんの店には地元紙の他に「農業共済新聞」が置かれている。ご子息がお勤めの団体の週刊新聞。記事のマニアックさも秀逸だが、広告が面白い。
「おい!もっと良い商品はないのか(怒)」というお客様のお叱りの声を受けて誕生した『紅』。70代でも芯まで届く常識崩壊らしく、既製品より吸収率115倍、吸収速度3.5倍。「勝負の30分前にこの2錠!想像を絶する凄まじさに満足感で満たされること間違いなし!」。
何の勝負か、どの芯に届くのは書き記なくともご理解いただけるだろう。高齢農家を底支えする力強さに惚れ惚れする。
〆の鶏そば、沁みる。具沢山で、汁だけで酒が呑める。会津はラーメンだけでなく蕎麦の産地でもある。絶品を啜り込んだ。
19時半から3時間、姐さんをカウンター越しに独占し、鯨飲。完全にスナック状態に。そろそろお開き。明日は珍しく朝9時ミッション。お会計を済ませ、コップに残った酒を呑み干しながら最後に喜多方ラーメンの話に。
会津若松市役所の麺友に3回ほど喜多方まで朝ラーに連れて行ってもらったことを話したら、麺友は姐さんも当然に共通の知人。姐さんはスマホで麺友に電話。
麺友とはコロナ禍以前よく呑み、翌朝に喜多方まで朝ラーした。そんな麺友の声をスマホ越しに久しぶりに聞いた。彼は自宅で呑んでいたようだが、今から店に来るという。エッ、今から?姐さんは笑顔で快諾。
会計を済ませていた私は、そのまま同じ席で2次会に突入。20分ほどしてから麺友・O村氏登場。懐かし談議に華が咲く。彼は会津若松市数十年に1度のビッグプロジェクトを任せられてる特命な逸材。気配りも素晴らしく、付き合いも良く、一緒に呑んで気持ちの良い漢だ。
姐さんがこの夜2杯目の鶏そばを出してくれた。さすがに満腹だが、つるりと入る。地酒をヤリながら会津の蕎麦。最高である。
私の会津若松ミッション5年間、柳津を含めれば7年間の会津ミッションが来月(2023年12月)完遂。感慨にふけっていると、深夜1時。姐さんに詫びながらまだチェックインを済ませていない定宿へ向かった。
ギリギリ開いてて安堵。
何はともあれ1杯目。
あっという間に並ぶおばんさい。
爽やかな箸休め。
熱々ジューシー。
地酒ド鯨飲モード。写真最左のボトルが激レア。
1杯目。
ニッポンの元気を下支え。
会津の麺友(左)。
2杯目。
ズームイン!姐さんはセンターのオヤジの真右(写真では真左)。

