ヴァーチャルカラオケ。スナックやカラオケボックスのカラオケ機能である。
カラオケボックスなるものに初めて入ったのは確か高校1年だったか。働くようになってボックスからスナックへ移行。
自分から歌いに店に行かぬが、それでも30年以上カラオケ機械とお付き合いしてきた。そして、バーチャルカラオケなる機能があることを49歳5カ月になるまで存じ上げなかった。
ある秋の夜。鹿沼の両アニキ・Tケシ氏&Yスシ氏と<どんさん亭>。郊外チェーンっぽい海鮮居酒屋だが大人気。私も1度だけ行ったことあるが、すっかりお気に入り。
生の後はロングジョッキな「どんボール」。独特の風味のハイボールだ。湯豆腐3人前頼んだら巨大な鍋。鰹の塩たたきも嬉しすぎる逸品。エビマヨもプリプリでマイルド。刺身の盛り合わせは圧巻の粋を超えている。何から箸を伸ばせばよいか分からぬほど。
ジューソーにはバイトで頑張ってくれている女子が3人いる。うち2人はよく存じ上げている。あと1人はお会いしたことないので、私はその女子がどんな子か聞いていた。ジューソー経営陣の御両人曰く、よく頑張ってくれているという。私も嬉しくなる。
お会計の際、すぐ後ろの席のそのバイト女子が友人と呑んでいた。御両人も私もバイト女子も驚いていた。鹿沼は狭い。私もこれでコンプリートできて上気分だ。
鹿沼の2軒目移動は代行必須。向かったのは<さくら>。この日も電気が全くついておらずまず店に気づかない。客は我ら3人だけだが、ママは貸切に。私も何度かこの店にお世話になった。4カ月ぶりだが、ママは私の顔を覚えて下さっていた。
ママのけんちん汁で腹を温めて、後はハイボール鯨飲。オヤジ3人でカラオケ大会。私も普段より数多く唄う。ママと『別れても好きな人』をデュエット。
2時間ぐらい経過した頃、ママがバーチャルカラオケなる画面を呼び出した。ママもイマイチ分かっていなかったようだが、我らオヤジ3人も何のことか分からない。
画面を見ると、曲名と出演者の顔と氏名が表示される。選択すると、その曲を出演者と画面上でデュエットするという。それでもよく分からない。
1ページ目の左上が『ロンリーチャップリン♪』。ママがボタンを押し間違えて曲が流れ始めた。私もよく分からないが皆にせかされるままマイクを持った。
画面はあきらかにラウンジと思しき風景。客がフロアレディと呑んでいる。すると、その中の一人の女性がマイクを2本持って迫ってきた。そして、1本マイクを手渡した。私にである。ある意味で貞子状態といえるが、とんでもないぐらい色っぽい。
女性パートを画面の中の彼女が唄い、男性パートを私が唄う。そして、両者デュエットも。
私はソファーからモニターの下へ移動。デュエット気分が増す。色っぽく見つめてきたり、3年目の浮気などちょっとすねた表情を見せる。いやはやタマラナイ。こんなに楽しいのか。
バーチャルカラオケは計12曲。6人の女性が2曲づつ担当している。すべての女性を確かめたく、3人で9曲は唄ったか。ちなみに女性バージョン(男性が画面に)はないらしい。
いつからこんな機能があったのか。もっと曲を増やしてほしい。バーチャルだけど、絶対に複数名で楽しむ方が盛り上がる。
独り客でしかも面倒な輩の場合、デュエットを強要されたママがそいつをスルーするための機能なのか。
謎は深まるが、私のカラオケ世界が広がったことだけは確かである。独りでスナックに行き、バーチャルをリクエストする勇気はないけれど。
湯豆腐。これで1人前?
凝った盛合せ。
みんな大好き、エビマヨ。
アヅマ大好き、鰹の塩たたき。
ここにイチゲンで入る勇気をお持ちか。
ママのおばんさい。
バーチャルデュエット。