<Q次郎>。屋号はいかにも焼鳥屋で、実際に焼鳥屋なのだが、創作系のおしゃれなバール的雰囲気がある。神明通り商店街のすぐ裏なのだが、壮絶に分かりにくい。というより、気づかない。隣は泥舟という凄い屋号のスナックだ。
神明通りD平理事長とこの店へ。理事長も初めてらしい。ホッピーがあった。キンミヤはかなり濃い目で嬉しくなる。カウンターだけの小さなお店だが、随所に拘わりが感じられる。
お通し3種盛は枝豆、鰹刺、冷製ポタージュ。緑・赤・白のコントラストも鮮やかだ。
焼鳥も旨い。焼き加減も大きさも天晴。会津若松で焼鳥は初めてかもしれぬ。日本中どこでも勝負できる、圧勝できる質の高さ。和風オムレツも味わう深い。他にもユニークなメニューがある。王道と創作の絶妙バランスが見事である。
若い女性の独り客が来られた。常連のようである。店やマスターの柔らかな雰囲気は女性一人でも入りやすいだろう。
D平理事長は商店街のことだけでなく、最近は中学生や高校生にまで生き方講座を講演をされているという。その内容が濃すぎる。
少子化問題に関し、中学生には「どんどんセックスしろ」。中学生だけでなく、その先生方も手を叩いてバカ受けしているそうだ。
高校生相手には「どんどんセックスしろ」と言わないらしい。本当にしてしまう年齢でもあり、教育上よろしくないとう配慮が頭の中で働くそうだ。
理事長の講演の後、金のない高校生カップルが猿のようにグラウンドのバックネット裏や非常階段でセックスしかねない。先生が見つけて注意しても「先ほどの講師の先生がセックスしろと言ったから」と強弁されたら先生方も押し黙り、認めるしかない。
ユニークすぎる一升瓶があった。「ダバダロぜ」。ワインにしか見えない一升瓶だが、何と焼酎だった。ダバダ火振という有名だが希少価値の高い栗焼酎の蔵元が醸造しているらしい。
ロックで頂く。色はワインか赤玉パンチ。しかし、味は本格焼酎。芋でも麦でも米でも黒糖でもない、スクランブルな奥深い味わい。
ホッピー6杯飲んでいる間にダバダロゼのロックを2杯。ロックだがグラスにたっぷりだ。
理事長のトークがさらに加速し始めた。コンプライアンス完全無視。そのごく一部ですら活字にできない。
我らより後に入ってきた若い女性の独り客が店を出た。理事長のトークの角度が急すぎてドン引いて店を出てしまったのかもしれない。私の下卑たツッコミが癇に障ったのか。
マスターに詫びると、「あの方はいつもこれぐらい(短い時間で)で店を出られます」。ほんの少しだけだけど、安堵した。
カウンターだけの、女性の独り客も入りやすい焼鳥屋さん。
お通し3種が気合満点。ホッピーも嬉しい。
絶妙の焼き加減と塩加減。
手羽先もプリプリ。
旨くないわけがない。
これは珍しい。