<藤谷>。2020年1月に佐野市内でオープンした佐野ラーメン店である。屋号は女性オーナーの苗字。下の名前も考えたがスナックみたいだからやめろと周囲に諭されたという。
ある秋の昼。S野市役所N田氏&Y口氏と<藤谷>で昼ラーメン。主目的は食後にF谷氏からお話を聞くこと。2023年から始まった佐野市内創業者事例集第2弾製作のためである。
ラーメン店を取材するのに、ラーメンを啜らぬバカもなし。私は人気ナンバー2という「チャーシューメン」と「餃子(3ヶ)」。
人気ナンバー1が「塩レモンラーメン」であり、いかにも女性受けしそうなビジュアルでもある。Y口女史が代表してナンバーワンを指名。両氏はラーメンのセットメニューだった。
小上がりでのんびり談笑。かなり昭和な雰囲気で寛げる。時間が14時になった。店員さんが暖簾をしまいだした。このお店、11時から14時までの3時間営業。ゆえにかなり混みあうようで、我らが奇跡的に入れたようだ。
ブツ降臨。明日は会津へ向かう。当然のごとく会津喜多方ラーメンを啜る。佐野と会津は共に常食系。F谷氏も言われるとおり「毎日でも食べ飽きないのが佐野の魅力」。
スープも麺も似ているが、会津喜多方系のチャーシュー長方形の小型サイズで薄いのにたいし、佐野は丸くて分厚い。喜多方は枚数で、佐野は分厚さで勝負している印象だ。
まずはスープ…。毛細血管が喜んでいる。朝7時半に神戸を発ち、14時にたどり着いた佐野ラーメン。泣ける旨さ。麺は佐野本流「青竹手打ち麺」。店の代名詞でもある。チャーシューも分厚いが柔らかく味加減も絶妙。パンフの「チャーシュー好きの店主の本気」に激しく首肯。
餃子は佐野らしくジャンボ。3ヶで充分。これで330円は安い。醤油とラー油だけで勝負。
一口は無理なので、1ヶ目を齧る…。肉汁溢れる。野菜の甘みと旨みも押し寄せる。笑みが漏れる。夢中で啜り、齧る。汗が噴き出してきた。
片付けの途中だったが、F谷オーナーが時間を割いて下さった。私は聴き手を務める。たっぷり1時間、痺れる時間だった。
2020年1月オープンの前に、2年間市内のラーメン店で修業。女性がラーメン店で修業した上で独立して店を構えるのは佐野市内でも例があまりないらしい。言われてみれば、全国でも稀有でないか。
何の告知もしていないのにオープン日に行列ができていた注目店。なぜ行列ができていたのかご本人もいまだ謎という。
私が最も印象に残ったのが「また来るね」と言われることが一番嬉しいとのこと。F谷氏も「おいしいね」「またくるね」の言葉が一番嬉しいと話す飲食店店主を見て「ウソだろう」と思っていたらしいが、自分が店を出すとホントだったと分かったらしい。
様々な創業経営者のお話を直接聞けるのは役得の極み。インタビュー記事は佐野市役所ホームページで公開中。アヅマ渾身の一人称語りおろし文章をご笑覧下さいませ。(写真下の付記@Aもお見逃しなく!)
付記@
今回ご紹介の藤谷さんのラーメン店が佐野駅前に移転されました。ぜひご賞味くださいませ!
付記A
今回ご紹介の藤谷さんも登場される「さの創業塾実践編〜夏〜先輩商業者との意見交換会」を一週間後(令和6年7月17日)開催!ご興味、ご関心のある方はお気軽にご参加くださいね。