「小倉逸品屋カタログ」。タイトルから内容を推測できる冊子である。十数年毎年作っているそうだが、十数年北九州に通っている私は恥ずかしながら2023年まで存じ上げなかった。
ある秋の夕刻。小倉の我が2大定宿(Cラウンパレス・T横イン新幹線口) が予約できず、第3の選択肢(Cラウンヒルズ)入り前にどこかで昼飯を喰おうと小倉駅から南へ向かっていた。
<娘娘>の前を通りかかるとまだ開いている。しかも並ばずに入れる。どこかでカレーのつもりだったが、気づけば着座。軽めにするつもりが「ラーメン定食Aの大(やきめし大盛)」。
ラーメンが絶品。単品でも激安。チャーハンはパラパラで超大盛。食後、そのままチェックインして荷を解き、腹ごなしに香春口三萩野まで歩いた。モノレール沿いなく、堺町公園から古船場を抜ける。車で何度か通りかかったが、歩いたのは初めて。
歩いたことで気づいたことがあった。凄まじいほどの焼肉店の数。掛け値なしに、飲食店の2軒に1軒は焼肉屋の感覚。そして残りはラーメン屋、うどん屋がならぶ。
うどん店もラーメン店も夜に営業開始で日付が変わる深夜まで。古船場で呑むことがあまりないので気づかなかった。我が小倉2大定宿から古船場は遠いので足を運ぶことは少ないが、第3の宿は古船場エリア。ぐっと道が広がった気がする。
黄金市場商店街へ行くと、事務所横に「小倉逸品屋カタログ」が掲示。15回目を数えるそうで、15店舗がエントリー。物販、サービス、飲食と多様だが、黄金から2店舗がエントリー。<肉のワールド>から「九州産骨付モモの唐揚」。
キャッチコピーは「骨付モモかぶり ワイルドだろ〜!!」。Gジャンの袖を切って素肌の上に着用し、6:4分けの先端から前髪を垂らしている一世風靡したピン芸人がもも肉を掴んでいる。よく見れば、若旦那のN江氏だった。なかなか体を張っている。
その横はオープンして2週間ちょっとの<レモニー>。「北九州ハニーレモンキャンディ」のコピーは「思い出すあの甘酸っぱい恋の味💛」。ちょうど一週間前、レモニーでレモネードを味わった。甘酸っぱい恋の味を多少感じたような気もした。
レモニー若旦那のS水氏はレモンの着ぐるみ(頭部だけ)と法被を着ている。ちなみに他の13店舗は極めてオーソドックスだ。
翌日の深夜24時過ぎ。第3の定宿へ戻る際、小腹が空いてきた。古船場へ。営業時間は18時から3時までな「どきどきうどん」<Iのうえ>。券売機で「黒肉うどん」をプッシュ。私はどきどきと対峙する際は肉ダブルだが、この日はノーマルに。
無料の漬物を小皿に。揚玉も無料。揚玉常備のどきどきうどん店は少ないのではないか。
ブツ降臨。すりおろし生姜と粗挽唐辛子をたっぷり投下。これぞ、小倉最強名物(私にとってですが)どきどきうどん。スープのキュっとした濃さ、すべてが異次元の旨さ。
北九州と縁を頂き始めた十数年前、どきどきを啜ろうと思えば小倉南区か枝光しか知らなかった。今や街中でも気軽に啜ることができる。黄金市場商店街でも。
10日後、北九州市内で竜王戦が開局。F井八冠の勝負飯が気になる。数ある候補から、肉ごぼう天うどんやレモニーのレモネードもエントリーしていた。北九州駅弁当のかしわうどん、東筑軒のかしわめしもエントリーして頂きたい。
もし、私が対局するなら。小倉の勝負メシは…。「どきどきうどん」か小倉駅7番ホームの「かしわうどん」、黒兵衛の「とりかつ丼」、娘娘の「A定食大」、資さんの「肉ごぼう天うどん」、川淀の「鰻蒲焼」…。とても選べぬ。長考しすぎてタイプアップ失格になりそうである。
紀伊田辺からパンダ号で新大阪経由で小倉へ。
パンダ号車内、落ち着かない。
遅い時間帯ゆえか、珍しく行列なし。店内満席ですが。
Aの大盛。
よりすぐりの逸品ぞろい。
この2店舗は激推し。
深夜の古船場。
背徳の深夜のどぎどぎ。
ホテルロビーから借り出す。初めて読んだ。面白い。