会津田島駅。浅草駅を始点すれば、複数ある東武鉄道終着駅の中で私が知る限り最も遠い。東京、埼玉、栃木を経て福島まで。田島からは会津鉄道に乗り換えて終点の会津若松まで旅する。
会津と栃木(栃木・鹿沼・日光)や埼玉(春日部)を移動する際、タイミングが合えば東武特急を利用する。その際、会津田島駅で乗り換える。乗換時間3分の時もあれば、30分の時も。
ある夏の朝。新鹿沼駅に行くと巨大ないちごのオブジェが立っていた。新鹿沼駅は半年ぶりだが、こんなのあったか?いちごデザイン押しが激しいバス停標識やいちごポスターに、鹿沼シウマイの冷凍自販機やシウマイ顔はめパネルが交互に並んでいる。陣取り合戦のようだ。
私も地区外会員である鹿沼商工会議所は「シウマイのまち」として全力で領域展開中。一方市役所のスタンスはあくまでも「いちご」らしい。永遠に相容れない深すぎる溝と闇がある。
ちなみに、鹿沼市以外の栃木県民の数人に「鹿沼に苺のイメージはあるか」聞いてみた。すべての人が同じ答えの「No!」。しかし、鹿沼はシウマイで町おこしをしていることは95%が知っていた(アヅマ調べ)。私の中ではシウマイの勝利である。
11時前に乗り込んだ特急はほぼ満席。12時半、会津田島駅着。会津若松行き乗換15分。いったん改札を出て充実している売店へ。
田島の売店で時間がある時は「とうがらしみそ」を買い込む。大蒜風味たっぷりで、激辛。味噌ラーメン(Sッポロ一番)、テイクアウトした焼鳥にチョン付けすると確変モードに。この日は東武沿線7泊8日タフミッション2日目。この間に消費できぬブツを買う余裕はない。
猛烈な空腹が襲ってきた。会津若松着後は間髪入れずミッション。夜まで固形物を口にするチャンスはない。
売店に駅弁コーナーが。「南会津さとやま弁当(松茸ごはん)」「会津ソースカツ丼」の2種。さとやまが1200円、カツが650円。
ソースカツ丼は会津若松市内の店舗やスーパー、コンビニで数え切れぬほど喰ってきた。さとやまは気になるが梅雨時期に松茸がピンとこない。しかし、あまり迷っている時間はない。
私は2つとも手にレジへ。一人じゃなくツレの分も一緒に、という空気感を醸しながらお会計。そうせねば、箸は1本、レジ袋1枚に2つとも入れられる。私が2ヶとも一気に喰うと思われる。まあ、間違いでないけれど。
独りなのにツレがいるフリを装いながら2つの駅弁を手に会津若松行き普通列車へ。嫌な予感がした。いつもは2車両なのに1車両しかない。
乗り込む。車窓が見える4人掛けはすべて埋まっていた。普段、会津へ向かう(その逆も)際は平日。ゆえにガラッガラ。この日は土曜。観光客でかなり混んでいる。
横一列シートへ。少々恥ずかしいが、空腹には勝てぬ。さとやま弁当はおかずびっしりなので、ゆっくり酒を呑みながら味わいたい。この夜の夜食にすることに。
ソースカツ丼を取り出す。南会津町内のレストランが作っているようだ。ずしり重く、650円は駅弁とすれば破格の安さである。
水で喉を潤し、まずはカツ…。美味い。旨い。甘い。そして、巧い。冷えても抜群。これぞ駅弁である。肉は柔らかく、ソースに胡麻風味がある。キャベツも程よくなじんでいる。
桜漬を箸休めの夢中で喰う。目の前の車窓を眺めながら…の予定が、前の座席(横一列シート)に一人旅のオヤジが私の同じように駅弁を頬張っていた。オヤジも車窓を眺めるつもりが、私の飯を食う姿を眺めながらなのだからお互いに気の毒な展開である。
東部新鹿沼駅前。
光(シウマイ)と闇(イチゴ)のハルマゲドン@
光(シウマイ)と闇(イチゴ)のハルマゲドンA
光(シウマイ)と闇(イチゴ)のハルマゲドンB
光(シウマイ)と闇(イチゴ)のハルマゲドンC
両方とも抱きしめる。
会津名物。
膝にのせて。
その夜の深夜。
(付記)
これから半年後の12月上旬に頬張った会津田島駅の「ソースカツバーガー」(400円)、掛け値なしに絶品でございました。
打つ手は無限、やる事やれる事は沢山あり、来年用の妙案もあります。「懸念無し」です。