かまだや。昼の破壊力満点すぎるランチメニューだけでなく、夜はラーメン居酒屋としても大活躍。私もこれまで昼1回、夜1回利用させて頂いた超名店である。
梅雨と台風が交互に絡み合う6月上旬。北九州小倉から陸路で栃木県佐野市へ。途中、神田で途中下車。超人気ラーメン店<わいず>がエアポケットのように行列がなかったため気づけば飛び込んでチャーシューメン。濃厚極まりない家系の味を堪能するも、ド満腹。
佐野に着いても空腹感ゼロ。リュックに入れているサントリーオールドを数杯呑みながらミステリ小説に没頭。せっかくの佐野の夜だが、居酒屋もラーメンもスルーしてしまった。
翌朝。私は汗かきなのでドボドボと汗が零れるがそれほどの炎天下でもない環境で空き店舗調査(フィールドワーク)。終了後、両毛線乗車時間前1時間。時間は11時ちょうど。
佐野駅前周辺にもいくつか旨そうなラーメン店がある。鰻屋もある。しかし、11時はまだ開いていない。11時半オープンっぽいが、それに合わせると1時間に1本の電車を逃してしまう。
こんな時、あんな時、ピンチな時、<かまだや>の前を通りかかったらちょうど暖簾が出たところだった。間髪入れず店内へ。
ランチタイムは麺類を頼むと、数種類のミニ丼系とソフトドリンクがサービスでついてくる。
1年ほど前に初めてこの店でランチを喰った時、チャーシューメン(醤油)にライス、餃子、アイスコーヒーをセットにした。感動するほどに美味しく、そして嬉しいサービスだった。
今回は醤油でなく「塩チャーシューメン」。私は札幌での味噌、北九州での豚骨を除けば、全国津々浦々よほどでないと醤油しか頼まない。
絶品の佐野ラーメン、醤油をスルーする判断はかなり蛮勇が必要だが、半年ほど前にこの店で夜呑みした際、常連風の多くが「塩」を注文していたことを思い出した。セットはミニカレーライス、ドリンクは迷わずアイスコーヒーである。
ぼんやり店内を見渡す。7月から定休日は月曜から水曜に変わるとある。外せない情報である。
心に刻んでいると、ブツ降臨。思わずヒューと口笛が漏れそうな色っぽいビジュアルである。
胡椒を少しだけパラリし、まずはスープ…。カツンとした塩のキレが良い。流した汗を補ってくれる。平打ち麺はモチモチのツルツル。チャーシューも分厚く柔らかい。夢中で啜り込む。丼にはスープだけが残った。
レンゲをスプーンに持ち替えて、ミニカレーライス。辛口の本格派。ちょうど良い量である。
この店にはカツカレーがある。今度はランチのセットでなく、カツカレーと佐野ラーメン(醤油)をそれぞれ単品で頼もうか。戦略を練っていると、スープもキレイに丼から滅失していた。
大満足でお会計。コワモテだが素晴らしく愛想の良いマスターが「お口に合いましたか?」。
私はニヤリと笑みを浮かべ「瞬殺でした」と一言だけ放った。
小倉駅新幹線改札内のVIPルーム。
神田駅西口商店街の超人気ラーメン店。
家系の先を行く。
佐野市役所すぐの良心。
慈愛に満ちたランチメニュー。
美味しゅうございました。