のど自慢。N●Kが誇る国民的素人歌謡ショーである(たぶん)。その存在はもちろん日本国民として知っているが、最初から最後まで観たことはない。鐘が3つ以上鳴るとおめでたい、という超基礎レベルの知識しか有していない。
夜は肌寒い5月の夜。黒崎歓楽街の超人気焼鳥店<とりっち>へ。この店で、確か数年前に伝説の「赤ウィンナー祭り」が誕生した。
コロナ以降、初のとりっち。今まで2軒目以降しか行ったことなく、赤ウィンナー以外喰った記憶がない。メニューも観たことがない。
メニューを初鑑賞。素晴らしく充実。しかも安い。赤ウィンナーだけでなくもも、肝、ダルム(何かの部位だろうけど、これ大好き)、豚バラ、皮、うずら、チーズつくね…。
どれも絶品。紅生姜店、胡瓜一本漬、セロリ甘酢漬も箸休めに好適。フライドポテトは私の愛してやまない細いスティックタイプでなく、ミカン形だった。しかし、それでも旨かった。
焼酎のボトルが無くなり、いったんお開き。黒崎合唱部のS元氏、アニソンが得意な大学准教授と<肴や>へ。
店のカナママ、のど自慢の北九州大会に参戦。200人ほどの予選を勝ち抜き、見事20名の決勝に進出。焼酎ソーダ割を鯨飲しながら、ママがサブスク配信されているのど自慢本選をTVに。ママの解説で初めて45分のフル長尺で鑑賞した。
個性豊かな面々が出場している。昭和初期の中学生のような男の子、カップルのようにしか見えない父娘、旦過市場火災に際に消防隊隊長として尽力されたマッチョマン…。ママは作務衣を着て5番目に登場。藤Aや子氏を熱唱する。しかも、ご本人の前で。
この日のゲストは藤あY子氏と、紅白で毎回けん玉ギネスに挑戦している男性演歌歌手。
20名の決勝進出者の中で、ゲスト枠というのがあることを知った。要するに、予選を含めて200名の中から、藤氏とけん玉氏の曲を本人で唄えるのは各1人づつという「本人枠」。ママは何人いたか分からないFあや子枠を勝ち抜いた。
ママ、残念ながら鐘二つ。それでも、見事な情感と熱唱ぶりが私の心にも響いた。熱唱後、司会者とママとのカラミに藤氏も参戦。画面上のママのうるんだ瞳が印象的である。
出場が終われば、ステージのバックに順番に座っていく。その際、手拍子やら振付を指示されるそうな。画面に映るかららしい。鑑賞ポイントが多い番組である。
あっという間に20人が歌い終えた。合格(鐘3つ)は6名。女子高生が見事優勝。グランプリ大会へ出場できるそうな。
ジョッキを空けてママにお代わりで手渡すたびに、カウンターの私の眼前にある赤い文字やロゴが入った小さなアクリルパネルを手で払っていた。
ママに参加賞はどんなものか聞いた。ママは私が邪険に扱っていた眼前のアクリルパネルを指さした。凝視…。「のど自慢」と書かれた楯だった。
1軒目は赤ウィンナー。
ママの解説付き。
メンタル強し。
戦利品。