カオス。夜の街はカオスに満ち溢れている。街、人、店…。しかし、どことなく「作られた」カオスには作為も感じられ、カオスの中に秩序が見え隠れしている。ホンモノのカオスは、天然の積み重ねの上に混沌世界を生じさせている。
肌寒い春の夜。黄金市場商店街門司大好きチームと久々に<ふじ>へ。門司の夜の帝王と福岡県内競輪の帝王(選手会長)も合流。手羽先、せせり、手羽元などを狂い喰い。生の後はメガハイボール。帝王の米焼酎ボトルを遠慮なくガバガバ。店内は満席。当日予約でよく入れたものだ。
満腹でアンジェに向かう途中、<太平楽>の前を通る。2回転目ゆえか、席が空いている。
この夜は<ふじ>でも〆のおにぎりを喰わなかった。<太平楽>も敢えてスルーした。何故なら、アンジェの後にもう一軒行くことになっていたから。
<アンジェリーク>でO中氏の竹鶴21年をストレートで楽しみ、我が苺コスプレ全開の西郷バカトルを痛飲。最初は我ら5名だったが気づけば満席に。さらにお客が押し寄せてきた。
店を出て向かった先はスナックビル6階の<ビストロK比丹>。カPタンという長崎っぽさを感じさせる屋号。帝王曰く絶対に誰も客はいないそうだ。マスターとママも寝ているだろうとのこと。しかし、朝5時まで開いている「深夜食堂」らしい。
ビルの1階にカピタンの営業中という提灯とA型看板が。この夜は月曜。何故か看板に月曜定休と書かれているが、開いているという不思議な世界観に満ちている。
入った瞬間、獣臭が鼻孔を付いた。カウンターにゲージがあり、何か丸い物体がいる…。ハリネズミだった。ハリーちゃんというらしい。
店内はありとあらゆるトコロにモノがおかれたカオス状態。カウンターに5人座る。O中氏がハリーを触る。ハリー、もぞもぞしている。
競輪選手も触ろうとすると、いきなりハリーが跳ねた。選手が叫び声をあげ、手を引いた瞬間ゲージに手があたり、すぐ横の棚が揺れた。すると、その棚から…。
千と千尋の世界が広がった。その時、誰も声を上げなかった。さすがである。しかし、後ほど知ったが、全員、見えてはならない彼岸の世界をしっかり視界に入っていたようだ。
帝王オススメのホットサンド注文。飲み物はハイボール。深夜12時まではスナックゆえセット料金が発生するが、それ以降は食堂として何食べても何呑んでも1品500円という。ちなみに昼から空いていて、昼は熟女たちがたむろするカラオケ喫茶であるそうな。
店の奥にドラムセットがある。O中氏がコクピットのように座る。初めてのドラム経験らしい。お店は30年以上続いているようで、マスターもママも恐らく優に還暦を超えられているっぽいが、マスターはモヒカン。ママはドラマーらしい。
ドラムと言えば、我らアラフィフオヤジ世代はCCBの『ロマンティックが止まらない』。40年ぶりに唄った。懐かしい。
老若男女な6人が入店。我らはボックス席に移動。ボックスの上は荷物の山。マスターがどこかに片付けている。ボックスで生活というか寝泊りしているらしく、生活臭が濃厚である。
親戚の法事なのか、広島サミット翌日だったのでプロ市民なのか不思議な構成の6人組がカラオケをひたすら熱唱。O中氏がドラムをたたく。途中から、氏のドラムが気にならなくなってきた。要するに、上手くなっている。
店内は熱気やらいろんな匂いでカオス。カオスの城は明け方5時までらしいが、我らは5時まで粘ることなく脱退した。
最強クラスの中毒性。
焼酎が加速する地鶏たたき。
カオス状態。
この夜の私はベリーちゃん。竹鶴21年くんとツーショット。
最上階のカオスの城へ。
カウンターにはハリーちゃん。
ガチでカオス。
ドラマーのママにご指南を受けるO中氏。
ドラマーの腕も上達。