店頭に設置されることが多いA型看板。店内に掛けられることの多いホワイトボード。飲食店における共通の使用方法として、その日の日替わり(おすすめ)が記されることが非常に多い。
2023年1月中旬における自治医大駅西口の名店<小雪>さんの店頭A型看板に記されていた「今週のオススメ」は「しめじと長ネギのそぼろ丼(クリームコロッケ付)」だった。
自治医大駅で昼メシを喰うタイミングは月に1回もないのだが、下野市役所からもほど近く、定食やメシものがとにかく豊富なので重宝している。お客はひっきりなしに訪れる。
2022年の秋か冬にこのお店で今週のおススメを腹に入れた。この時は「三種盛(ハンバーグ・カキフライ・コロッケ)」だった。感動するほど量も多く旨かった。
その際にメニューを見たのだが、季節限定が数種類、定番の定食が20ほど、定番のメシ系が10ほど。どれも凄まじく旨そうだった。
小雪(自治医大)へ向かう車中何を頼むかひたすら戦略を練っていたのだが、「今週のオススメ」の惹きには抗えない。季節限定なら3カ月だが、今週のオススメとなると7日間。定休を勘案すると6日間。ひたすらオススメに身を委ねるのも悪くないどころか、むしろ粋である。
この店のカツカレー、豚スタミナ丼、豚焼肉水菜盛りが気になる。焼魚定食は日替わりらしく、この日はサバとホッケ。店の近くに住んで毎週のように通わねば真髄を掴めない。
私のように数カ月の1度なら永遠に今週オススメ沼から抜けられない。定番どころか季節限定すら辿り着けぬ。それだけの間違いのない安定感に溢れている。
今週のオススメをお願いし、備え付けの地元新聞を読んでいるとブツ降臨…。ド迫力である。ど真ん中の半熟卵が眩しすぎる。どのタイミングで黄身を崩すかが大きな転換期となろう。
ネギとそぼろとシメジでメシを味わう…。旨い。ヘルシーなのに濃厚。味噌汁で心を落ち着けながらクリームコロッケ。サクサクのトロトロ。ライスにも合う。後は黄身を崩して一気呵成。割り箸からスプーンに持ち替え、あっという間に滅失。
外で一服し、小雨の中、下野市役所へ向かう。ミッション後、隣接する上三川町へ。タフなダブルヘッダーを日替わりメニューで乗り切れた。エネルギーが余っている。
この夜は小山駅の創業五十余年になる老舗居酒屋<東>。小山の呑み友達2氏と乾杯。冷え冷え瓶ビールからのハイボール。漬物が旨すぎる。秘伝のタレのレシピを知りたい。そして、漬物だけは本日(日替わり)のおススメが記されたミニホワイトボードに書かれていない秘中。
この店には定番がないはず。メニュー表はなく、常にホワイトボードで今週どころか今日のオススメ。白海老の唐揚は無双の旨さ。玉子焼、豚ロース唐揚、鱈白子ポン酢、鯖かっぱ…。創業五十余年の老舗が織りなす「今日のおススメ」である。
迷ったら、オススメを。
オススメにハズレなし(めったに)。
ある日の<東>のオススメボード。