老眼鏡をかけて水を飲みつつ朝刊に目を通していると、ブザーが震えだした。受取カウンターへ。圧巻のボリュームである。漬物と紅生姜をライスの隅の乗せ、ウスターソースを小皿に注いで、ルーが皿からこぼれそうになりながら自席へ。
まずはカツをルーに浸して…。目尻が下がる。口角が上がる。鼻息が荒くなる。これぞ、私が食べたいカレー。少しサラサラ気味だが、マイルド。たっぷりと豚肉が入っている。
圧倒的ボリュームに対峙する至福。漬物と紅生姜で舌をリフレッシュさせつつカレーは飲み物という格言通りを実行。途中、辛味スパイスを投下すると、コクと辛さのエッジが立つ。
味噌汁も見事な仕事ぶり。本店の鶏スープも絶品だが、味噌汁はリバー店でしか味わえぬはず。
ラスト3分の1でウスターソース投下。ジャンクにラストまで全力フィニッシュ。満腹感と満足感に浸りながら快晴の紫川沿いを歩く。絶景である。小倉区民が羨ましくなる。腹ごなしの川沿い散策は何よりもリフレッシュになる。
そのまま定宿を通り越して商工貿易会館へ。壮絶な眠気と戦いながら某会議。1人を挟んだ私の隣には、私を満腹と至福と睡魔に導いて下さった<黒兵衛>のオーナーが座っている。
【12皿目:チャチャタウン】「にしてつストア」お肉屋さんのカレーコロッケ(5ヶ入)
にしてつストア。我が小倉2大定宿の一角(T横イン北口)から歩いて3、4分なチャチャタウン1階に屹立する食品スーパーである。
私はこのスーパーを愛している。特に店内専門店の総菜が安くて旨い。小倉から神戸に戻るだけの日は総菜などを買い込むことも。
中でも私のお気に入りは、山吹おでん。真空パックされており、自宅晩酌の際は温めるだけで絶品の海に溺れることができる。そして、絶対に欠かせないのが、店内のお肉屋さんの「カレーコロッケ」。5ヶも入ってたったの200円(税抜)。まさに昭和価格である。
カレーコロッケ、冷えたままでも旨いが、オーブントースターで温めるとよりキュート。1ヶ目は何もつけず、2ヶ目はとんかつソース、3ヶ目はウスターソース、4ヶ目は…。5ヶ目は…。
贅沢言わせていただければ、3ヶ100円とは言わぬが150円ぐらいで販売して頂けないか。しかし、それは私のようは独りオヤジの願望。食べ盛りの子供を持つご家庭や大家族では、5ヶ入りでも足りぬだろう。20ヶでも832円(税込)。
私だけでなく、世の紳士淑女の大半はコロッケ好きのはず。コロッケが一番嫌いという御仁と私は会ったことがない。会いたいとも思わない。
カレーコロッケ、洋食でもなく、家庭の味でもない。ハイカラにして、下町。文明にして、開花。市場商店街に生まれ育った私だが、カレーコロッケを近所で喰った記憶はない。私にとってカレーコロッケは、中学生の頃に買い食いしたコンビニ(R−ソン)の味である。〔次夜その4〕