2023年03月22日

第3135夜:空き店舗を蘇生させる秘術【黒崎(北九州)】(前編)

 Q州国際大学。北九州に毎月からいつの間にか毎週のように通うようになりまもなく干支一回り。北九州市内には複数の大学が屹立している。私のミッションにおいても、大学の先生やゼミ生と絡むこともある。

 2022年度に入って黒崎・熊手銀天街にて始まった空き店舗滅失ミッション。その過程において九州K際大学・F野先生と御縁が深まった。

 先生のご専門は法律で、特にお墓関係という。詳細を何度もお聞きしているのにいつも覚えられない。人が死ねばお墓へ入る。生まれ変わることはあるかもしれないが、ゾンビ(ウォーキングデッド)になった正式な事例は地球の歴史上確認されていないはず。

 お店が死ねば空き店舗になる。シャッター街は商店街の墓地といえるかもしれないが、人間と空き店舗の決定的な違いがある。有機物と無機物、魂の有無ではない。

 いや、空き店舗は有機物であり、魂を有している可能性はある。人間は放置されれば朽ちて死を迎える。空き店舗も長期間シャッターも開けず放置され続けば確実に朽ちていくからだ。

 では、人間と空き店舗の決定的な違いは何か。空き店舗は全く別人に生まれ変わることができる、生き返ることができるのである。まあ、人間も同じことができるのかもしれないが。

 熊手のみならず黒崎エリアの空き店舗を蘇生、復活させるべく、F野先生とそのゼミ生十数名が商店街実態調査を決行。熊手銀天街ならび駅前周辺で来街者&来店者アンケ―トである。

 想定以上にサンプル数が集まった。その結果報告会が202211月中旬に開催。集計結果には空き店舗を蘇生させる秘術がグラフで暗号化されていた。

 商店街、F野ゼミ、商工会議所八幡SC、私で暗号解読に勤しんだ。私も想定していなかった事実が浮かび上がった。

 黒崎駅周辺居住者(徒歩15分以内)に絞った設問『住まいの形態』に関し、約71%が持ち家だった(戸建て・分譲マンション)。持ち家に関し、戸建てと分譲は割合が拮抗していた。「住まいに黒崎を選んだ理由」に関し、「住宅の分譲価格が安い」の回答はゼロだった。価格は安くないが黒崎で持ち家を保有した点は、価格以外のプラス要素が高いためと推測できる。

 黒崎駅周辺居住者(徒歩15分以内)に絞った設問『居住年数』に関し、21年以上が36%ともっとも高く、15年が29%と続いた。全体として黒崎駅周辺に11年以上居住している層は55%、10年未満は44%。少子高齢化に伴う街なか居住回帰、公共交通の利便性、分譲や賃貸マンションの相次ぐ竣工等が、住民の入れ替わり要因の一つと推測される。

 黒崎駅周辺居住者(徒歩15分以内)に絞った設問『住まいに黒崎を選んだ理由』に関し、「バ スや鉄道が便利」が最も多く、「勤め先が近い」「買物に便利」「飲食店が多い」と続いている。

 「買物に便利」という点は、商店街の事業者とギャップがある点である。商店街事業者は飲食店ばかりで買物に不便と捉えている者が多い。

 ただしこれは商店街エリアに特化した意見であり、食品スーパーも近隣に多数あることから、住民にとっては黒崎全体として買物に便利と捉えていると考えられる。一方、「教育環境が良い」「治安が良い」等の回答が皆無だった点も黒崎の特徴を表している。〔次夜後編〕

230322黒崎@.jpg

昨今の大学生には頭が下がります。

posted by machi at 07:16| Comment(0) | 福岡県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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