凄い氷雨。郡山からバスで会津若松・神明通り商店街に14時半過ぎ着。隣接する定宿にチェックインできるのは15時。昼メシがまだゆえ、ラーメンを啜りたい。可能であれば喜多方を。
商店街アーケードを超えてちょっとだけ歩いたところにラーメン店があったのを思い出す。何度か前を通ったことがある。しかし、14時半に開いているかだろうか。激しい氷雨ゆえ、ずぶぬれなのに入れなかったときのショックは計り知れない。
迷ったら、GO。座右の銘に従い向かう。数カ月ぶりに履いた革靴もびしょ濡れに。店が見えた…。暖簾が出ている。「営業中」の札が掛かっている。思わずガッツポーズ。店内に飛び込む。
大将と女将さんが切り盛りしている様子。店内は誰もいない。もしかして昼休憩のタイミング…?どうぞ〜と中へ通された。安堵感で心が満ちる。
水と漬物(胡瓜)が運ばれてきた。酒を頼んでいないのに、嬉しいサービスである。
メニューを観る。かなり豊富である。小さな字でびっしり。老眼鏡を取り出すのが面倒。
最初に視界に入った6種類990円均一のセットメニューがあった。中でもAセットは「当店自慢の組合せで超お得 当店一押し」とある。構成は4種類のラーメン(会津醤油・喜多方・味噌・塩)から一つ、後は餃子2ヶにミニチャーハン。
初めての店では店の一押しに従うことは天地開闢以来の理。ラーメンは、喜多方だ。
水を飲んでいると、テーブルにPOPがあった。会津ラーメンと喜多方ラーメンの違いが詳細に記されている。やっぱり違うのか。
再度メニューを熟読。麺類だけで30種類ぐらいあった。餃子も焼き方で5種類、他の単品も10種類は超えている。すべてのメニューに説明書きがある。6種類のセットの中に、学生限定の特別メニューも。学生を応援するお店はこれまでの経験上、絶対にハズレがない。
何より驚かされたのは、すべてのメニューに「人気度」が★の数で記されている。こんなのは初めて観た。私が頼んだセットは★が6つの最高クラス。気になって目を通す。5つ星もあるが、リアルに3つ星、2つ星も。そして、星が無いメニューがあった。
お店が発表する人気ゼロメニューは「ミルクラーメン」「餡かけチャーハン」。ちなみにミルクラーメンの説明は「牛乳需要促進」。SDGs過ぎて笑ってしまった。人気ナンバー3ぐらいまではお店が公表することあれど、人気のない商品を公表しているメニューやポップなど未経験。
全く飽きさせないメニューに夢中になっていると、ブツ降臨。ラーメン、焼飯、餃子。この3種が同じタイミングで出来立てが登場することにも凄い技術と年季である。
喜多方、たっぷりである。焼豚も大きくて分厚い。胡椒パラリ、まずはスープ……。目を細める。旨い。これぞ、喜多方。麺もつるつるのモチモチ。焼豚も噛みしめるほどに味わい深い。
途中、餃子を挟む。1ヶ目は醤油とラー油で。2ヶ目はそれに酢を追い足し。カリっとジューシー。旨い。この店はラーメンと餃子がウリのようだ。
麺を啜り終えた。残ったスープをおともに、チャーハン。これが泣ける旨さ。チャーハン単品大盛りで勝負したい絶佳っぷり。夢中で喰い終える。スープを飲み干す。夢心地である。
水を飲みながら営業時間を再度確認する。昼の部は15時半までで、15時がラストオーダー。喰い終えた時間は14時55分。ギリギリだった。
究極のメニューを発見した。「会津醤油ラーメンと喜多方ラーメンの食べ比べセット」。990円。次回は絶対にこれを注文する所存。そのためには、14時半までに絶対に神明通り商店街へ到着できるスケジュールをくみ上げねばならない。
その夜は神明通り堂平理事長とサシ呑み。呑みながらいろんな話に改めて驚愕させられた翌朝。この日は神戸に戻るだけ。ホテルチェックアウトは10時。
昨昼感動した<関さん>は11時半オープン。どこか喫茶店で1時間半ほどPC猿打し、会津醤油と喜多方を食べ比べるか。
旨し店、美味しラーメンとの出会いは一期一会。会津には今後も1年半にわたり月イチペースで足を運ぶゆえ、機会はあるだろう。しかし、いつ隕石が衝突するか分からない…。
しかし、二日連続では感動が薄れるのではないか。果報は寝て待て。丸坊主の後ろ髪を惹かれながら、私は神明通り商店街から郡山へ向かうバスに乗り込んだ。
神明通り商店街からすぐの超名店。
衝撃のメニュー、その1。
衝撃のメニュー、その2。
1番人気。
その日の夜、その1。
その日の夜、その2。