2022年03月29日

第2896夜:おもてなしの神髄【日光(栃木)】(後編)

 ジョッキを凍らせた生で乾杯。5泊6日の最終日。ノドに沁み込む。

 色々料理注文。お通しをツマミながら談笑し、生ビールを呷っていると、枝豆が運ばれてきた。誰か頼んだっけ?

 「お料理お待たせして申し訳ございません。枝豆どうぞ。もう少々お待ちください」

 特に待たされた感もない。気配りに恐縮する。気づけばカウンター席も小上がりも満席に。

 焼鳥、ポテトフライ、揚げ茄子、手羽中唐揚‥‥‥。どれも旨い。一気に料理が出てくるのではなく、一品づつ絶妙のタイミングで出てくる。

 焼酎の湯割に切り替え談笑していると、SL大樹タイアップな厚焼玉子降臨。

 ドカンな迫力。皿に「大変おまたせしました」POPが。思わず微笑。なんとも言えない温かい気持ちに。

 時間も21時半に。ラストオーダーである。22時が完全閉店なので同行氏たちはお店にタクシーをお願いする。しかし、50分〜1時間待ち。

 冷静に考えれば、12月の第二週の金曜日である。本来なら忘年会の第一ピーク。店に入れることも、タクシーが手配できることすら珍しいことをこの2年間で忘れてしまっていた。

 ラストオーダー終了。22時完全閉店ゆえ居座るとご迷惑に。

 とりあえず店を出てどこか入るか。すると、女将さんがタクシーが来るまで店に居ても大丈夫とおっしゃる。甘えることに。

 さらにハイボールを注文し、調子に乗って何かシメになるようなものを注文した。

 女将さんは厨房へ。なかなか出てこない。親方と相談しているのだろう。親方から「ふざけるんじゃない」と叱責されているのかもしれない。

 数分後、厨房から親方が出てこられた。コワモテである。

 怒られるかと思いきや、柔らかな笑みを浮かべて「カレーうどんとかいかがですか?(3人で)2玉ぐらいにしましょうか」。

 我ら激しく首肯。感動の嵐が吹き抜ける。

 女将さんが黄色いバスタオルを3枚持ってこられた。私の背後に回り、首の周りに巻き付けた。

 わけわからず目を剥いていると、「カレーうどんはこうしないと危険ですからね」。

 何というホスピタリティ。3人とも999の星野哲郎状態。外から見たらかなりマヌケだ。

 小さめの椀にカレーうどんが。まずは出汁。

 ……。定番メニューにすれば間違いなく人気になるだろう。恐ろしいほどの旨さ。出汁も効いており、具にもカレーが染み込んでいる。

 あっという間に啜り、満足していると女将さんが「おかわりどうぞ」と2杯目を。

 私は言葉を失った。人間は本当に感動した時、言葉がでないことを体感した。

 ちょうど啜り終えた頃、絶妙タイミングでタクシーが。時間は23時前。1時間も延長して下さった。

 POPづくりやおもてなし講座を開催するなら、講師を呼んで会議室で行うのではなく、下今市駅前の<婦美のや>さんで腰を据えて食べて呑む方が遥かに身につくだろう。

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どれも絶品なプロの味。

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添えられたPOPに微笑。

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星野哲郎状態。

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ハネを気にせずカレーうどんをお代わりする私。
posted by machi at 07:18| Comment(0) | 栃木県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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