2021年09月19日

第2775夜:任意出頭【戸畑(北九州)】(前編)

 梅雨の中休みだった北九州市13時30分。イオン戸畑に隣接する戸畑警察署に出頭した。

 その5日前の午後、埼玉県川口市内のJR川口駅前の喫煙場所で紫煙を燻らせていたら、スマホが震えた。093から始まる番号。

 登録していないが、北九州市内と分かる。どこかの商店街か市役所か商工会議所からか。または、どこかのホテルか飲食店か。

「ハイ、アヅマです」。少しシブめの声で応答する。

「アヅマさんの携帯ですか?」先方は女性の声。若い声なのに落ち着きが感じられる。

 私はさらにシブみを増した声で「ええ、そうです」。

 すると「こちらは、戸畑警察署です」。

 思わず声が裏返りそうになった。戸畑警察署?……。先方曰く、私の名刺入れが戸畑署に届けられたらしい。中味を確認すると私の名刺しか入っていないので、そこに記載された携帯番号を辿られたようだ。

 ふと思い出した。その前の週は北九州市内で4泊5日していた。3泊は小倉、1泊は若松。

 戸畑区内のミッションはなかったが、急に大容量ビジネスリュックのファスナーがぶっ壊れた。途中の戸畑駅で緊急下車して駆けこんだり、若松に行く前にエアコン対策で2,200円のジャージの上着を買ったり、若松からの帰りの立ち寄って自宅晩酌の肴を買い込んでいた。

 自宅で荷を解いている際に、名刺入れがないことに気づいた。4泊5日の間、一度も名刺入れを取り出すことはなかった。ゆえに失くしたことさえ気づいていなかった。

 名刺入れは10年以上使用しており、皮が飴色に変色するほど使い込んでいる。どこで失くしたか見当もつかない。

 2021年度になってから新幹線でパソコン、自宅のカギを忘れている。忘れ物、落し物は絶対にするまいと心に誓ったばかりだった。完全に老化現象が始まっている。

 幸い、名刺入れはまっさらがある。名刺も豊富に余っている。潔く諦めていた。

 戸畑署の1階は静まり返っている。平和極まりない。その中でも端にあった落とし物係へ。ベテラン男性1名、ベテラン女性1名、美人の若い女性が1名おられた。

 受取書に日付と住所、氏名を記載し、受け取る。イオン戸畑内のベンチにあったらしく、どなたかが届けて下さったらしい。名も知らぬ善意の御仁に心から感謝する。

 警察として1点不審な点があったようだ。それは、名刺には北九州のキの字もないのに、なぜ戸畑で拾われたのかという点。戸畑ミッションは10年間で2019年度に2回あったのみ。最も縁遠い区と言って差し支えない。

 私はこの10年間、毎月どころか毎週のように北九州入りしている。そのことを伝えたら、ますます怪訝な表情を浮かべられた。名刺に「九州支店(ショコラ)」を記さねば。〔次夜後編〕

210919名刺入れ.jpg
愛用。
posted by machi at 08:32| Comment(0) | 福岡県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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