2021年01月02日

第2596夜:紙エプロンの惨劇【名古屋(愛知)】

 八丁味噌。言わずと知れた名古屋味噌で、赤だしとも違う独特の風味。味噌カツなどでは甘味が加えられ、名古屋人以外には賛否両論分かれるところだが、名古屋グルメの一つ「味噌煮込うどん」は、甘味がないので意外と攻略しやすい味である。ところが…。

 味噌煮込うどんで著名なのは、大正14年に名古屋・大須地区で創業した<Y本屋総本家>。多数ある支店の中、JR名古屋駅高島屋のレストラン街で、定番らしい玉子入りに挑戦した。

 鍋焼きなので時間がかかると読み、ビールを最初でなく料理と一緒に持ってきてもらう。ちなみに、ひとりビールは生より瓶が好ましい。手持無沙汰がほんの少しでも解消できるからだ。

 幾分ずらしぎみのフタが載せられた鍋焼きがきた。グツグツ煮えたぎっている。忘れてはならないのが、紙エプロン。恰好を気にして付けないでいると、シロウトは大惨事になる。

 まずは汁を一啜り。思ったよりさらりとしているが、深い。八丁味噌と白味噌をブレンドしていると雑誌で知った。冷えたサッポロ瓶ビールをグビリ。旨い。味噌煮込みうどんは、味が濃いうえに熱々で喉が渇くため、酒よりビールがよろしい。

 かまぼこ、ネギ、刻み揚げなどを肴にビールを呑む。玉子の固まった白身部分もいいアクセント。汁も十分にビールの肴になる。鍋フタが取り皿の役割を果たしている。なるほど。

 うどんをフタに入れ、フウフウして口に運んだ。熱すぎてとても一気に啜れない。口の中で噛むように食べる。

 ……!?なんだ、この硬さは?

 本当に煮えているのか。‘小麦粉と水だけで打つ独特のコシ’(某ムック本より引用)だそうだが、あまりにも独特すぎる。麺は固めを私は好むが、これは……。その代わり、麺が伸びるという心配が全くない。

 鍋焼将軍として、私はうどんにしばらく放置プレイを施した。具をつまみにビールを呑み、その間に柔らかくする作戦である。

 ビールも無くなり、麺に没頭する。多少食べやすくなった。この妥協のない硬さ(コシ?)が、この料理一番の個性かもしれない。他の店も同様なのだろうか…。

 後半のハイライトは、玉子を食べるタイミングである。鍋の中でつぶしてしまうと拡散してもったいない。

 鍋蓋にうどんを入れ、玉子を乗せ、汁を少し入れた。白身をつぶして黄身をトロ〜リ、と期待したが、大失敗。うどんと共に玉子も放置していたので、半熟が固ゆでになってしまった。

 玉子は前半で勝負すべきだったようだ。この料理、あまりにも奥が深すぎる。

 周囲のスーツを着た出張族のサラリーマン諸氏も、紙エプロンにたっぷり飛沫を付けている。私も現代アート画のごとく白いキャンパスに味噌飛しぶきが飛び散っている。ところが、地元名古屋人と思われるオヤジ氏は、紙エプロンを使わず悠然と啜っている。見事な技術である。

210102名古屋味噌煮込みうどん.JPG
ガラケーで撮ったと思しき画像が残存。

(付記)

新年あけましておめでとうございます。年越しそばは完全に定着しているが、某食品メーカーの戦略だろうが依然浸透しているとは言い難い「年明けうどん」。しかし私は激しく賛同。

ほんの少しでも片棒を担ぐべくうどんネタを死蔵ストックから探していたら、ありました。2010年4月頃のネタ。画像も奇跡的に残存。ほとんど覚えていないが、この頃はヒマを持て余していたので今より遥かにネチっこく書いている。

2020年は500年後の世界史の教科書でも太字で紹介される1年。私自身、いろいろ気づかされることの多かった1年でした。あくまでも私個人ですが、コロナ禍も決して悪いことばかりではなかった。どんなマイナス局面もプラスに転じさせるよう2021年も精進してまいります。

このバカブログをご笑覧の紳士淑女にとってもステキな1年になりますように。本年も御贔屓に!
posted by machi at 06:44| Comment(0) | 愛知県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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