2020年05月29日

第2456夜:道場入門【新千歳空港(北海道)】(その5)

■雪あかり:味噌チャーシューメン

 道場に相応しくないほどロマンあふれるネーミングセンスが光る。時間は15時半。もっとも道場がガラ空きの時間帯かもしれない。いつも行列の<一幻>以外どこも空いている。なかでもとびっきり空いていたのがこのお店。空いていたというより、たまたまだろうが客が誰もいない。

 どこでもどうぞと案内され、カウンターに。テキの1番の必殺技はバターコーンらしい。ピリ辛ほぐし味噌が続き、3番手がネギラーメン。味噌、しょうゆ、塩のラインナップである。

 普段なら1番人気がそれに準じるテキと対峙するのだが、初対戦はオーソドックスに攻めたい。よってシンプルな「味噌」。それにチャーシュー追加で1130円。

 ぼんやり待っている間、メニューを再度見る。……。う〜ん、人気3位に「ねぎ味噌ラーメン」にすべきだったが。おや、麦味噌ラーメン、赤味噌ラーメンもある。どう違うのか。

 持ち帰り用の土産には「バター味噌」と「赤味噌」が商品化。うじうじ後悔を噛みしめていると、ブツが降臨した。どちらかといえば淡い色合い。まさに「雪あかり」である。

 一味ではなく胡椒をパラリし、まずはスープ。……。好き。好きです。流行りの札幌濃厚系味噌とは少し距離を置いている。昔の味噌ラーメンに比べたら濃厚だろうが、最近ではあっさりの部類。しかし幾重にも味の層がある。深みと広さがある。

 麺は黄色のちぢれで絶妙のスープリフト力。チャーシューは5枚。厚さはないが旨味は充分。柔らかく脂とのバランスもよい。気づけば麺1本、汁1滴視界から消えた。後悔も滅失する。

 これで道場内の9店と戦い、勝ち抜いてきた。後、1店。いよいよ大将戦である。

200529新千歳:雪あかり(2019年10月).jpg
2019年10月実食。

■札幌飛燕:我流札幌塩らーめん特製

 明け方4時まで美唄市内のホテルの部屋でクライアント氏と鯨飲し、ド二日酔いのまま道場の門を朝10時半に叩く。ついに最後の試合。<札幌飛燕>である。

 味噌、醤油、塩とラインナップが揃っているが、メニューでは思いっきり塩、それも「我流札幌塩らーめん」が圧倒的に華やかなセンターで‘一番人気’‘ミシュラン掲載’と唄っている。
 
 私のような俗物は権威に弱い。人生初の「ミシュラン」とやらを抱きしめることに。さらに300円追加追加でチャーシュー4枚、玉子1ヶ、海苔3枚に確変する「特製」にバージョンアップ。

 二日酔いが酷く正直申し上げて空腹ではないのだが、昨晩は美唄ラストミッション。北海道では富良野との御縁が続いているが、旭川空港をヘビーユーズするため今度いつ新千歳ラーメン道場の門をたたくことができるかわからない。ここは、勝負である。

 冷たい水でアルコールを分解しながら再度メニューを読み込む。「塩」は鶏と煮干しの白湯系らしい。かなりの自信が伺える。

 ブツが降臨。……。美しい。丁寧な仕事っぷりに笑みが漏れる。スモーキーな香りも漂う。ブラックペッパーとガーリックパウダーをパラリし、まずはスープ。

 ……。初体験の味である。塩なのだが、熊本系豚骨のマー油的な香ばしさもある。麺とのカラミもエロチック。チャーシューは私の愛する脂のないモモ肉。

 無性にライスが欲しくなった。100円で追加招集。スープの染みた海苔をライスにオンし、クルンと巻いてマウスイン、すかさずスープ。……。至福である。

 海苔の下にはメンマや刻みチャーシューもたっぷり。嬉しいさプライズだ。そして、ゆで卵である。まるまる1ヶ。これが「日本一のこだわり玉子」らしい。

 箸で割る。……。太陽がスープの地平が上った。これをライスにオンし、たっぷりとスープを掛け、玉子を崩しながらレンゲで書き込む。……。我、無法なり。されど欲望の赴くままに。気づけば汁1滴残っていなかった。

200529新千歳:札幌飛燕(2019年11月).jpg
2019年11月実食。

 2016年の秋に道場に入門。名だたる10店の牢名主たちと対峙し、ついに2019年秋、成就を成した。感激もひとしおだが、それ以上に目標を見失ってしまいしばし呆然。凄まじいまでの「道場ロス」である。

 道場を出て、手荷物検査場に向かう。その最中、道場を振り返った。さらに成長を遂げて再度門をたたく決心をしながら。新店が入ればそく対峙せねばならない。または、今回の10店舗で啜らなかったメニューで再度一巡することも悪くない。

ふと思い出した。道場以外にも新千歳空港にはラーメン店があったはずだ。そして札幌駅前には「らーめん共和国」もある。地平の先に、新たな道標を見つけた。〔終〕
posted by machi at 07:37| Comment(0) | 北海道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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