2020年05月28日

第2455夜:道場入門【新千歳空港(北海道)】(その4)

■一幻:そのまま・みそ+チャーシュー(3枚)

 <一幻>。新千歳空港内「北海道ラーメン道場」内でもっと流行っていると思しき「えびそば」店である。10店舗ほどが林立している道場において、この店だけがいつも行列。割と座席数のある店内だが当然満席だ。

 よくよく道場内の全体レイアウトを観察すると、行列に対応できる配置なのはこの店だけ。道場主はその実力を誘致の段階から熟知していたのだろう。

 私にとっては、この店は2つの意味でラスボス級だった。

 一つ目は、行列。私は並ぶという行為が大っっっっっ嫌いなので、行列のない時を見計らおうとしたが常に並んでいる。ゆえに足が遠のいていた。

 二つ目は、「えびみそ」であること。数年前だが濃厚極まりない「えびみそラーメン」を啜った際、凄まじく旨かったのだが、食後に全身が痒くて我慢できなくなった。発疹ができていた。

 病院に駆けこみ、先生に「何喰った?」と聞かれ「えびみそラ…」。言い終わる前に先生は食い気味に「はい、それ」と一言。

 これまでえびも味噌もアレルギーなど発症したことなく、そもそも私はアレルギーなど一つもない。以降もえびも味噌も喰いまくってきたが、アレルギーが発症したことなどなかった。しかし「えびみそラーメン」はスルーしていた。そもそもそんなメニューが周りにないからだ。

 午前10時半前に新千歳空港着。そのままラーメン道場へ向かう。この日はかなり余裕がある日。道場内で1時間過ごしてもミッションには間に合うゆとりがあった。

 今日も<一幻>には20人弱並んでいる。一瞬迷ったが、結構席数多いし、ラーメンは回転が良いだろう。よし。並んでみよう。そして、私の「えびみそラーメン」アレルギーはたまたまだったのか、キャリアだったのかも確かめよう。

 ただし、キャリアだった場合、その日はミッションどころではなくなる危険性もはらんでいる。

 最後尾につき、原ォ先生の30年前の沢崎シリーズ第1作『そして夜は甦る』のハヤカワポケミス版を読んでいると、いつの間にか店内へ。待ち時間15分といったところか。

 カウンターに着座。メニューを拝見。「えびラーメン」一択かと思いきや、まず「そのまま」か「あじわい」を洗濯。「そのまま」とは海老の旨味をストレートに表したベース、「あじわい」はそれに豚骨をブレンドしているらしい。その上で「みそ」「しお」「しょうゆ」を選択する。

 3秒程迷ったが、やはりストレートに味わいたい。しおも良さそうだが初めての店では一番上表記を選ぶ鉄則を貫くと「そのまま みそ」となった。何となく一抹の寂しさを感じたのでチャーシュー(3枚)を追加トッピング。

 冷たい水を飲みながら活気ある店内でぼんやり5分ほど待つと、ブツが運ばれてきた。湯気に海老が香る。海老のふりかけのようなピンクの粉末が鮮やかだ。

 胡椒をパラリし、まずはスープ。……。初めて味わう海老の濃厚な旨味と甘みのラーメンスープ。味噌の強い主張をがっしり受け止め、前面に海老が出つつも引くところは引く絶妙のコンビっぷりである。太麺とも絡む。行列も納得の旨さ。さすが道場最強の無差別級だ。

 チャーシューを齧り、麺を啜り、スープを満喫。半分になったところで卓上の「えび油」なる調味料をぶっかける。ラー油のごときオレンジ色。スープを再度味わう。より濃厚さが増した。

 気づけば麺1本、汁1滴、海老1片滅失。この道場はどの店も実力者ぞろいだが、個性という点では振り切っている。ただし、甲殻類アレルギーの御仁は確実に病院直行か即死だろう。

 大満足で店を出る。行列はさらに伸長。バスを2本乗り継いで富良野へ向かう道中、アレルギーの兆候はゼロだった。痒くもなんともない。どうやら数年前は単なる体調不良だったようだ。

 キャリアではない私は、これから何の気兼ねなく「えびみそラーメン」を啜ることができる。しかしこの店では次回は「えびしお」と決めているのだけれど。〔次夜最終〕

200528新千歳:一幻(2019年10月).jpg
2019年10月実食。
posted by machi at 06:50| Comment(0) | 北海道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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