2020年05月24日

第2451夜:京浜東北線ホームのラーメン天国【大宮(埼玉)】

 大宮駅京浜東北線ホーム。ここには駅そばがある。しかし、駅そばというには幾分抵抗がある。「駅ラーメン」の方が相応しい。

 正式名称は分からないが(「大宮駅そば」としておく)、大宮駅構内の他の立ち蕎麦屋よりも攻めの角度がキツい。当然そばメニューも充実だが、それを凌駕するラーメン押しの圧力が高い。

 そばも「さいたまそば」「がんもそば」などと個性的。ちなみに「さいたまそば」とは埼玉県特産ねぎ(たぶん深谷)とさつまいものかき揚げと生卵である。これは実食済である。

 タッチパネルの券売機スタイルである。8種類のおすすめメニューは他より大きく表示されており、そのうち5種類がラーメンなのである。醤油ラーメン、チャーシューメン、ラーメンライス、味噌ラーメン、そして佐野ラーメンがゴレNジャーを形成している。

 もはやラーメン屋である。私は平成最後の年から佐野ラーメンの虜。ただし、本場の栃木県佐野市は未踏。もっぱら宇都宮駅構内で啜り続けてきた。大宮駅でも啜れるのだから恐れ入る。

 ある初冬の朝。春日部から東武野田線で大宮駅へ。新幹線乗車まで15分。小走り気味に改札へ突入し、京浜東北線ホームへ。お目当ては一択。「佐野ラーメン(500円)」である。

 すかさず券売機をスイッチオン。職人熟女にチケットを渡し、気もそぞろに待つ。1分が1時間に感じられる頃、佐野ラーメンを恭しく受け取る。

 チャーシュー2枚、メンマ、葱、ナルト、そしてゆで卵。まずはスープ。……。これで500円はコスパ高すぎ。チャーシューも味わい深く、スープに浸ったゆで卵もマイルド。麺もツルツルのモチモチ。喜多方訪問は実現したので、後は佐野だけである。

 隣のオヤジは北海道味ラーメンなる味噌ラーメンをさらに進化させたブツを上手そうに啜っている。ノーマルのラーメン、または売り切れだったチャーシューメンを試さねばならない。

 それから1か月後。1か月前と同じルート、同じ時間に大宮へ。そのまま京浜東北線ホームへ直行し、惑うことなくブレない足取りで<大宮駅そば>へ一直線。デジャブ甚だしい。

 券売機をロックオン。……。チャーシューメンが売り切れずに残っていた。迷わずタッチ。風を切りながら店内へ。明るくて元気いっぱいの調理熟女に手渡す。私の勢いに押されているのか、顔がこわばっておられる。迷いのない男(私)のまっすぐな表情にシビれているのかもしれない。

 蕎麦よりも30秒ほど余分に時間がかかるチャーシューメン降臨。厨房から「もうチャーシュー終わり」「持ってこなくちゃ」といった会話が漏れ伝わる。私は凄まじい幸運だったようだ。ラストチャーシューメンだった可能性すらある。

 ブツを恭しく受け取り、胡椒をパラリ。まずはスープ。……。今やユネスコが真っ先に保護せねばならない絶滅危惧種の鶏ガラ醤油。ラーメンの基本であり、原始であり、宇宙である。

 麺は太めの縮れ。ナルト、ネギ、メンマの王道に、分厚く大きなチャーシューが3枚。噛みしめるほどに柔らかく味わい深い。

 醤油ラーメンが480円でチャーシュー1枚。チャーシューメンが560円でチャーシュー3枚。1枚あたりわずか40円。チャーシューメンが間違いなくお得である。

 無我夢中で立啜。気づけば麺1本、汁1滴残っていない。ところが、レンゲの取っ手に赤いシミが付いている。

 特に気にも留めず、卓上紙ナプキンで口周りを拭く。……。真っ赤に染まっている、鼻をかむ。……。さらに深紅に染まる。

 どうやら鼻血のようだ。それも、かなり前から出ていたようだ。全然気づかずラーメンを啜っていたようである。

 券売機のチケットを渡した時、調理熟女のひきつった顔を思い出した。私は鼻血を流しながらラーメン天国で殉死寸前だったのかもしれない。

200524大宮駅そば@.jpg
大宮駅以外にも増殖して頂きたい。

200524大宮駅そばA.jpg
ラーメンの比重高し。

200524大宮駅そばB.jpg
佐野ラーメン。

200524大宮駅そばC.jpg
チャーシューメン。
posted by machi at 07:06| Comment(0) | 埼玉県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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