2020年04月29日

第2433夜:盛岡駅「ひふみ弁当」【take-out】

 「ひふみ弁当」。岩手・一関地方の群雄<斉藤正月堂>様が調整元を担う盛岡駅弁である。「ひふみ」とは一般的に「一二三」と漢字で充てる。どのあたりが1・2・3なのだろうか。 

 ある年末の午後遅く。花巻空港着後、間髪入れず受付へ直行。係りの女性が心の底から20pほど上あたりの申し訳なさそうな表情で、搭乗予定便出発が90分遅れるとおっしゃる。

 理由をお聞きすると、伊丹空港から向かう便に不具合が出て出発が遅れているらしい。まあ、どうしようもない。その日は休日。帰宅するだけである。

 隣カウンターのスーツオヤジが「俺は年間100回以上飛行機に乗っているんだ!責任者を出せ!」と喚いている。100回も乗っているなら喚いても無駄なことぐらい分かるだろうと横目で呆れながら手荷物検査場へ。すると受付嬢が「アヅマさま〜」と小走りに駆け寄ってきた。

 何かと思いきや、遅延お詫び空港内当日限定の500円商品券を手渡して下さった。微妙すぎる金額だが有難く頂き、売店で適当に雑誌を買う。

 ぼんやり搭乗ロビーで雑誌をパラパラしていると、さらに出発が遅れるアナウンスが聞こえてきた。さらに2時間以上待たねばならぬようだ。雑誌はとっくに読み終えてしまった。

 小腹が空いてきた。自宅に持ち帰り、晩酌の肴にしとうと企んでいた駅弁を袋から取り出した。盛岡駅弁「ひふみ弁当」である。リュックサックにはポケットウィスキーが入っている。田中啓文先生の伝奇小説『アケルダマ』も取りだし、のんびり搭乗口夕酌に移行した。

 ウィスキーをグビリとやる。食道が焼けていく。パッケージを外す。……。肉びっしりである。一際巨大なハンバーグがインデペンデンスデイ状態。

 かぶりつく。……。ジューシーである。パッケージを読むと、付合せのラタトゥイユなるものをトッピングしても旨いとある。

 パッケージをさらに読み込む。「門崎熟成肉」なる銘柄を使用しているそうだ。<格之進>という岩手や東京でレストランらしき業態を展開している事業者の肉職人が厳選して選び縫いた牛を独自の技術で熟成させたという。

 では肝心の「ひふみ」とは何か。ひふみ牛など聴いたことがない。いわて短角牛に続く新たな和牛なのだろうか。パッケージに明確に書かれていた。

 「ひふみ」の「ひ」は《ひとくち満足 すじ煮込み》。「ふ」は《ふか味醍醐味炙り焼き》。「み」は《みんな大好きハンバーグ》。……。大喜利だった。

 ウィスキーをグビリとやりながらすじ煮込み、ハンバーグ、牛肉炙り焼きを肴に呑む。炙り焼きもかなりの実力でたっぷり御飯にトッピングされている。タレ付き御飯もツマミに好適。

 ポケット瓶が空になった。ウトウトと眠気が襲ってきた。いつの間にか、搭乗開始時刻が気にならなくなってしまった。

200429ひふみ弁当@盛岡(151223).jpg
2015年12月実食。
posted by machi at 16:46| Comment(0) | 駅弁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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