2020年03月10日

第2395夜:博多屋のかつ丼【黒崎(北九州)】

 <博多屋>。黒崎駅前新天街改め「黒崎表参道商店街」の昼のライフラインとして黒崎の老若男女の財布に優しすぎる価格で満たし続けている食堂である。

 うどん、各種定食、丼、カレーからちゃんぽんまでメニューは極めて豊富。黒崎に無くてはならない昭和の戦後間もない創業という黒崎屈指の老舗である。

 そんな黒崎の宝もご多分に漏れず後継者不在で終幕の危機に立たされた。そんな折、一人の男が大企業の地位と安定をすべて投げうって立ち上がった。店主の息子さん(50代前半)である。

 氏は5年ぶりとなった我が黒崎ミッション開始(2019年9月)の10日ほど前に店を継いだ。継いだといっても修行中の身。今までと1000%異なるシゴトに疲労困憊のようだが、我が月イチミッションに顔を出して下さり、しかも2次会(深夜2時ごろ)までお付き合いして下さる。私も様々なお話をお聞かせ頂いた。

 ある土曜の遅い昼。私は<博多屋>の暖簾を潜った。恥ずかしながらこれまで未踏だった。昼はほとんどラーメンな生活ゆえ、足が遠のいていたのか。それとも老舗が醸し出す重厚な雰囲気に押されていたのか。

 店に入ると、後継者のM山氏が少しの驚きと素敵な笑顔で出迎えて下さった。店内は50年以上通っているんじゃないかという熟年常連が数人。昼休憩なしの通し営業なのも心強い。

 氏は厨房で調理を担当。御母堂と思しき女性と、さらに年の変わらない女性の3人で切り盛りされていた。後から知ったが、もう一人の女性も親族で、計5人で回しているらしい。

 店内は思いっきり昭和。時の流れが令和と違う。壁面メニューは豊富で、どれも安すぎる。私はかつ丼と決め打ちで入ったが、カツカレーも肉うどんもその他の定食もたまらなく旨そうだ。

 店内の談笑を聞くともなく耳に入ってくる。ぼんやりしていると、フタをしたブツが運ばれてきた。……。カツ丼、丁寧なビジュアルで絶世の美女。玉子はトロントロン。女王が従えているのは吸い物と漬物3種。

 吸い物を啜り、心を落ち着かせながらも気持ちの高ぶりが抑えられない。まずは玉子が絡んだカツをひと齧り。……。熱々のサクサクである。そこに絶妙出汁の半熟が絡む。

 すかさずご飯で追走。旨さのあまり意識が飛びそうになる。ふと気づけば、あっという間に目の前から何もかもが滅失していた。もう、博多に行かなくとも良い。黒崎に博多屋があれば。

 お会計は680円。あまりにも安すぎる。氏曰く、これでもつい最近消費増税で値上げしたばかりという。消費税がなかったころの昭和末期はどれだけ安かったのだろうか。

 その夜、後継者のM山氏も交えて6、7人で呑んでいた。常連たちの注文のスタイルも様々すぎてなかなか覚えられないという。私は今度、かつ丼の飯大盛ではなくかつダブルにしてみようか。それともカツカレーダブルにしてみようか。

200310博多屋@.jpg
老舗の風格。

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今や昭和遺物なサンプルケース。

200310博多屋B.jpg
組合せ無限大。

200310博多屋C.jpg
絶世の美女。
posted by machi at 10:28| Comment(0) | 福岡県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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