2020年01月26日

第2366夜:蛇行問答【宮古(岩手)】

 スラローム。車両が蛇行しながら走るコースようなものである(たぶん)。自動車教習所以外では区画整理された一方通行道路などで見られる。スピードをあまり出させないためである。他にも理由があるのかもしれない。

 令和元年11月上旬。盛岡から106急行バスで宮古駅前に降り立ち、いつものルートで末広町商店街に足を踏み入れた瞬間、息を呑んだ。スラローム実証実験をやっていたのだ。数多くの警備員や蛍光色ジャンパーたちで物々しい。

 そういえば、その1か月以上前、我が末広町ミッション開始前に市のご担当者とどこかの先生が本件の説明をしていた。商店街側の反応は賛成でも反対でもない微妙な雰囲気だった。そもそも実証実験を実施することになったプロセスと合意形成の手法に「?」が香っていた。

 末広町商店街は日中は一方通行だが、夜間は二車線通行となる。そして標識その他が極めて悪いため昼間一方通行を逆走する車が後を絶たない。たまたま通りかかったパトカーにつかまっているのを見ると目も当てられない。ちなみに他県ナンバーのパトカーもよく逆走している。

 スラローム化すると、店舗前に膨らみが生まれるところと車線ギリギリになる店ところが現れる。ふくらみのある店は一時停車できたり便利だが、そうでない店はただただメリットはない。いろいろと難しい問題がある。

 唖然としたのは、商店街が主催ではなく他の発案らしいのだが、ふくらんだ部分にイスを並べたりイベントしたりを企画しているという。車いすや自転車どころか歩行者すら通れなくなるのではないか……。

 あくまでも実証実験なのでアンケートで可否を決めるそうだ。しかしアンケートなどいくらでも誘導尋問可能。そもそもスラローム化には伏線がある。数年後に電線地中化が実現するのだ。

 誠に喜ばしいことである。これが実現するならいくらでもスラローム化して頂きたいし、終日一方通行でも構わない。ただしスラロームの膨らみでイベントするのだけは危険なのでご遠慮いただきたい。どこかの有識者の提言だろうが、商店街もたぶん同意見だろう。

 ヨソモノの私にそのようなことを提言する権利も何もないのだが、大津波から9年も御縁を頂いている。何とかうまく収まってほしい。

 そんなことを考えながら末広町を抜け、中央通商店街の我が定宿に向かう寸是、愛してやまない<たらふく>の看板がまあ灯っていた。目を凝らすと、暖簾も出たまま。すでに日が落ちて真っ暗だったが、これはツイている。迷わず飛び込んだ。

 ここは「中華そば」しかない清々しい店なので常連たちは「一つ」「二つ」と注文する。私も笑みを浮かべながら「一つ」。ふと値段を見ると630円だった。

 私が9年前に初啜した際は500円。それが550円、580円となり(たぶん)、ついに630円。しかし、私はたとえ1000円になっても啜り続ける。

 値段だけでなく、店の雰囲気が異なっている。若いスタッフが気合系の元気満点の接客だ。麺は独特かつ極上のちぢれっぷり。車両の蛇行運転は賛否あれど、旨すぎる麺の蛇行は満場一致で大賛成。相変わらず旨すぎる、三陸の宝である。

200126末広町スラローム@.jpg
社会実験中。

200126末広町スラロームA.jpg
スラローム。

200126末広町スラロームB.jpg
三陸の宝。

200126末広町スラロームC.jpg
麺のスラロームなら大歓迎。

posted by machi at 17:56| Comment(0) | 岩手県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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