2020年01月02日

第2351夜:奇跡と必然【高松(香川)】

 丸亀商店街。四国の玄関口・高松の中心市街地を統べる日本屈指の商店街振興組合である。

 天皇陛下が新たに即位された祝日。私は十数年ぶりに高松を訪れた。新たな活性化プランを策定中の沖縄県宜野湾市「ぎのわんヒルズ通り会」の皆さまが高松を視察されることになり、その活性化プラン策定検討委員会の委員長を仰せつかっている関係で私も同行することに。

 高松に縁もゆかりもない私が引率でも案内でもなくただ同行するだけというある意味マニアックすぎるミッション。しかしこんな機会でもなければ高松に足を運ぶ機会もない。何故なら凄まじく賑やかで活気があるからだ。私のような流浪のヨゴレまちづくり屋には神戸から近くて遠い仰ぎ見る存在である。

 陛下の即位日は移動日。兵庫町のホテルに荷物を預け、宜野湾の皆さまと合流する前に時間に少し余裕があったのでアーケード街を中心に散策。兵庫町商店街を歩き、ライオン通りを曲がる。

 ライオン通りが飲食店も集積しており魅力的である。歓楽街と思しきトキワ新町を抜け、常磐町商店街、田町商店街を歩く。そしてバチカンにも負けないドームを誇る丸亀町へ。

 じっくり高松の中心市街地を歩いたのは初めてだが、これほどの規模とは、活気とは。お店も個性的ですべての業種業態が充実。若者が多いが年配者や家族連れも目立つ。老荘青である。

 じっくりとはいえ早歩きでも1時間かかった。アーケード街だけである。他にも魅力的な施設が点在しており、高松の商店街エリアを満喫しようと思えば丸一日でも足りないだろう。まさに「地方の奇跡」を体感できる。

 翌朝。高松南部商店街新世代協議会(NASAP)のH溪氏から喫茶<ナチュール>でお話をお伺いする。私はアップルティを注文。こんなお洒落な飲み物は初めてだが、実に旨し。3杯ほど呑めるお得感も嬉しい。あまりにも私には似合わないが。

 高松といえば丸亀町一択と思いこんでいた。丸亀ではない南新町・常葉町・田町の3商店街の若手商業者が中心となり様々なイベントを実施。特に親子をターゲットにした「かえっこ」イベントが秀逸。初めて知ったが南部3商店街で設立したまちづくり会社も数年前に発足していた。

 私は今回の視察団の団長ではないが委員長なので、進行役を務める。この南部だけで300店舗は優に超えている。しかし、西普天間飛行場の対面に1q以上に渡り広がり、通り会の名前通り丘のような「ぎのわんヒルズ通り会」との類似点がほぼ見当たらない。アーケードの有無、客層、片側商店街、気候、文化……。共通点は、しいて言えば「西日本」であることぐらいか。

 南部3町は自転車との共存を選んだようだが、丸亀は自転車通行を禁止したという。結果的に安全であることの評価が高まり来客は減っていないそうだ。確かに老いも若きも自転車を押している。関西の梅田や難波、心斎橋以外では考えられない光景だ。

 14時から丸亀町商店街会議室へ。何とF川理事長が対応して下さった。理事長の話をじっくりお聞きするのは初めて。ただただ呆然、唖然。商店街活性化なんて100万光年彼方にぶっ飛ばしている。言葉の意味通りで「まち」を作っていた。

 所有と利用の分離法則は全世界を震撼させたが、それ以上に商店街が医療法人の経営を始めたことに魂が震えた。奇跡なんて言葉は失礼であった。理念と先読みの構想に裏打ちされた必然だった。

高松市中心市街地商店街
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南部3商店街のお話をお聞きする。
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ぎのわんヒルズ通り会の皆さまの視察。
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F川理事長から直々にお話をお聞きする。
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posted by machi at 10:03| Comment(0) | 香川県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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