そんな超弩級が関東方面に向かって北上している最中、私は午前中に栃木県小山市から東京駅を経由してバスで茨城県行方市方面へ向かっていた。空ひとつない快晴。風も無風。「世界が変わる」ほどの台風が近づいているとは1gも感じられない。嵐の前の静けさか。
正午に水郷潮来IC着。行方商業協同組合のⅯ田副理事長に迎えに来ていただき行方へ向かう。
商店街役員の皆さまとミッション開始前に昼食。組合事務所すぐ近くにオープンしたらしい<まいさー>というパスタ、ピザ、カレーなどがウリのお店へ。すでに大人気で満員。びっしり予約が入っているようだ。
私はペペロンチーノに。最初にサラダが出て、追加で頼んだシーフードピザを全員でツマむ。クリスピーな感じ私好み。
食後のはずのアイスコーヒーを呑み終えたころにペペロンチーノ登場。時間があまりなくなり慌てて熊啜する。
「買い物するならふれあいカード」。行方商業協同組合のキャッチコピーである。それに基づいていろんな提案を頂いたが、加盟店を増やしていくことは当然の基本戦略。
新しくオープンしたパスタ店、加盟して下さるだろうか。店独自のスタンプ式ポイントカードを有しているようだが、ふれあいカードも使える店になってほしい。
Ⅿ田副理事長に再度水郷潮来ICまで送っていただく。バスは満席。台風直撃前に移動試みる人が多いのかもしれない。
車中でひたすらネット検索し、台風情報を確認していた。JRは17時から徐々に間引き運転し、夜半には全面運休。飛行機は18時以降が条件付き。欠航の可能性が極めて高い。
私はその日、18時半ごろの羽田発の飛行機で那覇へ飛ぶ予定だった。飛ぶかどうかは、イチかバチか。空港まで足を運んで欠航を喰らうと立ち直れない。翌朝午前便は確実に全滅だ。
翌朝一番の神戸空港発那覇行きが1席だけ空いていた。1分ほど迷い、羽田発をキャンセルし、神戸発に振り替えた。つまり、今日中に新幹線で帰神せねばならない。
完全運休に突入する前に台風直撃の関東圏を脱出しなければ。慌ててネットで新幹線を検索。東京駅には17時ごろ到着する。17時から間引き運転開始。グリーン車も満席だが、普通シートをかろうじて予約できた。
夕焼けが美しい車窓を眺めながら、「世界が変わる」前に関東圏から脱出するばかりである。
ペペロンチーノ。
嵐の前に。

