2019年10月10日

第2295夜:うな重定食の流儀【春日部(埼玉)】

 うな重。うな丼よりも高級感があり、とても気軽にランチできない高値の華である。

 ある夏の涼しげな午後。北海道富良野から14時前に春日部着。この日は九州北部が凄まじい豪雨。関東はそれほどでもないが雨模様。春日部周辺のラーメン店はほとんどが15時から昼休憩に入ってしまうが、この日は14時。チャンス拡大である。しかし、雨中を歩きたくない。

 西口を出てとりあえずホテルに向かっていると、道すがらに「うなぎ」と力強く染め抜かれたのぼりが何枚かははためいていた。前日の1日4麺(神戸×1、札幌×1、富良野×2)だったゆえ、麺一択という気分が失せてきた。

 かなり広くて大きな店である。屋号は<和洋レストラン 松>。入り口付近にメニューがあり、居酒屋メニューも充実しているがかなりの鰻押しである。ランチもいろいろとあり、どれも800円から1000円以下だが、「うな重定食」だけ2980円と他の追従を許さない。

 しかし、鰻である。しかも、うな重である。昨昼に札幌で「自称」超絶焼豚盛り味噌ラーメンに1310円も使ってしまったので少し感覚がマヒしている。店に飛び込み、着座するなりメニューも観ずに、店員さんの目を観て「うな重定食」と力強く発した。どこか誇らしげな気分である。

 ぼんやり店内を見渡す。座敷あり、テーブルあり。60人まで宴会もできるようだ。様々なパーティメニューもある。ランチタイムは16時までで、食後のドリンクが150円で楽しめる。

 ホテルからは徒歩2分弱。次回はどの定食にしようかなと心躍らせていると、ブツが降臨。

 フタを外す。大きな国産鰻がびっしりと覆ってライスが見えない。ちなみにライス大盛無料。サラダ、小鉢(キンピラ)、肝吸い、漬物(沢庵と胡瓜)を従えている。盤石の布陣である。

 まずは肝吸いをひと啜り。熱々で胃と心に染みる。山椒をパラリし、まずは鰻だけをテイスティング。実に柔らかい。口に運ぶ。……。甘ったるくない私好みのシャープな味わい。

 ご飯と一緒に食べ進めるとシアワセの絶頂に満たされる。時折漬物などで舌を引き締める。鰻の旨さが倍加する。ボリュームもたっぷり。大満足だ。

 肝吸いの「肝」をいつ食べるか。これも大きな問題である。たいていの肝吸いは1ヶだけ。ラーメンにおけるチャーシューいつ齧るか問題と双璧である。

 私はチャーシュー問題に疲弊してしまい、よってほぼ頼むのはチャーシューメン。この問題から解放されるからだ。しかし肝吸いの肝はたくさんいらない。1ヶで十分だ。

 うな重を半分食べ終えたところで、肝を口に運ぶ。肝焼きとは異なる優しい味。痛風にはよくないだろうが、これを口にせねば臥竜点睛を欠く。

 米粒1つ残さず食べ終えた。食後のホットコーヒー(150円)も召還。紫煙を燻らせながら頭をカラッポにする。鰻の濃厚さを熱く香ばしい珈琲が洗い流す。

 お会計にしている最中、ふとレジ横の張り紙が見えた。なんと、8月31日で閉店するという。私が訪れたのは8月28日。4日後だ。あまりの衝撃にホテルまでどうやって辿り着いたか思い出せなかった。まあ、歩いて2分なのですが。

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無双感。

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老舗感とカジュアル感が共存。

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食後のホットコーヒー。うなぎの後は旨さ倍加。

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衝撃の告白。
posted by machi at 10:37| Comment(0) | 埼玉県 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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