黒ホッピー。関西の居酒屋では稀に「白」は見かけても「黒」はめったに味わえない。シンコは思いっきり高級魚になってしまったが、くぎ煮になる前の釜揚げは神戸の春の風物詩である。どちらも居酒屋でしかあまりお目にかからない。
ある3月下旬のいかなごが相変わらず不漁で1s数千円という悲鳴が聞こえそうな生暖かい夕方。ハーバーランドで用事を済ませ、腹が減りノドを潤したくなった。新開地まで歩くのも面倒ゆえ神戸駅前の立ち飲みに狙いを定める。どうせなら初ダイブの店にしよう。
1件目は駅前の立ち呑み酒場。居酒屋の駅前グループが展開しているのだろうか。瓶ビールの大瓶が480円で色々選べる。サッポロ赤星が嬉しい。
ポテトサラダ250円と葱入りだし巻き玉子280円を召還し、凄まじいスピードでビールを飲み干す。店内のTVに見入ってしまう。内容はくだらないのだが、正月にTVとDVDデッキが同時に壊れてからニュースを観る機会が皆無ゆえである。
メニューはかなり充実。刺身類も豊富。ホッピーが黒と白の両方ある。これは凄い。シンコの釜揚げ300円を召還。ポン酢でヤリながらホッピー黒。
ホッピー(しかも黒)とシンコの組合せはもしかすると日本全国を入れても3月中旬〜下旬のこの店でしかなし得ない奇跡のコラボかもしれぬ。地味だが、超A難度の必殺技である。
昭和のナポリタンも旨そうだが、目の前の「ケンミンの焼ビーフン」のPOPが激しく主張してくる。‘ピーマン入れんといてや〜♪でおなじみ’‘神戸の家庭の味’……。
このキャッチに1gも覚えがない。ケンミンの焼ビーフンの存在はもちろん知っているが、神戸の家庭の味とは、生まれも育ちも生粋の44歳(当時)神戸市民だが1oも存じ上げなかった。値段は400円。私はピーマンは割と好きなので入れといてもらう。
ブツ降臨。私が愛してやまないソーメンチャンプルに似ている。まずは具をツマミに3杯目のホッピーをヤる。いい感じの塩コショウ加減である。麺を啜るというより、口に運ぶ。……。独特の歯ごたえ。伸びないしピシっとしているからチビチビつまめば酒の肴に好適かもしれない。
料理4品、酒精4杯で2700円ちょっと。大満足で満腹腹をさすりながら店を出る。
ビーフンは麺類だが、私にとっての〆は汁モノ。ビーフンはツマミだった。かなり腹は張っているが、もう一軒攻めたい。〆の汁麺はまだ早い。
すぐ近くに立ち飲み屋があった。突撃する。生ビールとお任せ2品(枝豆と切干大根)500円セットを召還。
店内のTVでは大リーグの開幕戦が日本で開催されているらしく、イチ●―選手の雄姿が映し出されている。TVに見入ってしまう。
生の後は黒糖焼酎へ。追加ツマミは「揚げたてポテトチップス」。揚げたてが嬉しい。熱々と冷え冷え焼酎のコラボ。黒糖をお替りし、至福に浸る。お会計は1700円だった。
日本中で毎日のように旨い料理や酒を満喫する機会を頂戴しているが、立ち飲み系安居酒屋が一番落ち着く。この夜は結局料理7品、酒精7杯(ビール大瓶含む)で4500円以下だった。
「赤星」が瓶で一番好き。
黒ホッピーとシンコ。ある意味で奇跡の組合せ。
神戸の家庭の味を44年にして初実食。
2軒目へ初ダイブ。
揚げたて旨し。
2019年06月23日
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