2018年11月29日

第2083夜:フラノを喰い尽くせ【富良野(北海道)】(前編)

 <ふらの家>。2018年初夏にオープンしたらしい、北海道、富良野産にこだわった地産地消居酒屋である。メニューはいわゆるひとつの「インスタ映え」なラインナップに溢れている。

 2018年秋。北海道を襲った地震から2週間後、北海道のへそ(中心)・富良野市新相生商店街の紳士淑女と<ふらの家>へ。1年半に渡る我がラストミッション最終回である。

 エクストラコールド生で乾杯の後、クラシック生に切り替える。泡が凍りそうなほどキンキン。いくらでもノドを滑っていく。ふらのワインのソーダ割「ふらのボール」も爽やかだ。

 刺身の盛り合わせは紋別産というこだわりぶり。貝類のコリコリに目を細める。生うには口の中で蕩ける。他にも鮮度最高の逸品ばかり。ほっけも大きく脂ノリノリ。スペアリブは豪快に骨の周りの肉にかじりつく。我が精神、太古の野生に還る。

 大皿に大量の玉子焼が載せられてきた。大きめの鉢も2つ。冒頭から異様にテンションが高い年配目の店員さん(店長さん?)が、「では、行きますよ〜!」とレンゲを手にとり、「ヨイショ〜!」と大量のカニのむき身をぶっかけていく。

 同行氏たちも掛け声を合わせる。続いてなんとイクラが同じテンションでぶっかけられている。鉢にはカニもイクラも残っている。

 黄金色の大地に咲き誇る、朱色と桃色と純白の花吹雪。箸を伸ばすことにためらいすら感じさせる圧倒的なパフォーマンスと世界観。味は当然ながら期待を裏切るはずもない。

 富良野に昨年訪れ、すっかりハマった薬味が「山わさび」。刺身に良し、そして、熱いご飯に載せて醤油を垂らしてかきこむも良しのまさに万能薬味である。

 料理を満喫していると、茶碗に半分程度の白ご飯が全員に運ばれてきた。刺身、かに、いくらなど、好きな料理具材を載せ、だし汁をぶっかけてお召し上がりくださいとのこと。粋なサービスである。わかってらっしゃる。

 私は山わさびを載せた。だし汁をぶっかけ、啜りこんだ。……。爽やかな辛さが駆け抜けた。新緑の森の鮮烈な石清水。舌に絶佳を加筆する。思わず目を見開いた。

 北海道でしかほとんど味わえない豚ホルモン塩焼、豚サガリ味噌焼などを満喫し、〆は色鮮やかで今にも泳ぎだしそうな鮮度の握り寿司。寿司は別腹であることを思い知らされる。女子2名は6人分は優にありそうな巨大スィーツに挑んでいる。観ているだけで胸焼けしそうだ。

 大満足で外に出る。2軒目は夜の帝王・Aキラ氏と若手実業家・N川氏の3人で親子で営む場末スナック<ニューラベンダー>。私は2度目である。

 超ハイテンションな熟女がカウンターで呑んでおり、その両脇をオヤジが固めて今にも喰いつかんばかりである。不気味なイキモノガカリといった趣だ。

 焼酎をヤリながらAキラ氏もN川氏も熱唱。私も不安定な声色で恥唱。時間はあっという間に深夜1時。N川氏がオーナーの<トマール>に戻り、泥のように眠る。〔次夜後編〕

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刺身も鮮度抜群。

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豪快な演出。

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山わさび、最強の薬味。

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山わさびの出汁茶漬に。

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寿司も圧巻。

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1年半近く本当にありがとうございました。

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場末感に溺れそう。

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北の大地でも赤ウィンナー。
posted by machi at 20:35| Comment(0) | 北海道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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